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2010-11-05 00:00
(連載)メドヴェージェフ大統領の国後島訪問について(2)
茂田 宏
元在イスラエル大使
この訪問は、北方領土問題を今のロシア政権と交渉して解決することが困難なことを示した。日本として今後どうするのか。第3者解決の方法は除外しして考えると、次の通りとなる。
第1に、この問題の解決がなければ、日露関係は冷めた関係でしかあり得ないことを、よりはっきりと示しつつ、解決の時期を待つという道がある。ロシアは1955年、1972年、1990年代初めには「解決したい」と申し出てきた。そういう時期はまた来るだろう。
第2に、領土返還運動というロシアの出方に焦点を合わせた運動から、固有の領土奪還運動に転換し、日本のこれら諸島への管轄権行使を段階的に進めていく道がある。力のみで、ロシアは北方領土の不法占拠を続けている。これには力で対抗する覚悟も必要であろう。日本漁船の拿捕には、ロシア漁船の拿捕で答えるのも一案である。こちらの選択する時と場所で管轄権を行使して行けばよい。
第3に、メドヴェージェフの国後島訪問は内外で北方領土問題への関心を高めた。日本国内で北方領土問題への関心が薄れてきている状況もあったので、良い刺激になった。外国では、米国務省が「日本の立場を支持する」と述べた。河野大使の一時帰国も対ロ不快感の表明として位置づければ、より良かったのではないか。
なお「メドヴェージェフの国後島訪問を阻止しえなかった」と管政権を攻撃する声がある。「日本が不法占拠論を言ったので、ロシアの態度硬化を招いた」という、知ったかぶりの声もある。「ロシアの国内事情から出たもの」と理解する声もある。「経済関係への影響を懸念する」声もある。すべてピント外れである。主権問題については、国内で足の引っ張り合いはやめ、国民は一致して外に当たるべきである。商売のカネ儲けの問題と主権問題は重要性が異なり、混同すべきではない。ロシアの国内事情を詮索するのではなく、日本の主権擁護の方策を考えるべきである。(おわり)
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