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2010-10-31 00:00
(連載)台頭する中国への長期的な取組み(1)
湯下 博之
元駐フィリピン大使
尖閣諸島沖での漁船衝突事件で日中関係更には日本の国内政治が大きくゆさぶられ、また中国の地方都市で今だに反日デモが発生している。この状況は、一過性の出来事ではなく、中国問題や日中関係の今後を考える上で重要な意味を持つ現象であり、真剣な分析と検討が必要である。
時を同じくして、中国で習近平国家副主席が共産党中央軍事委員会の副主席を兼ねて、2012年の党大会で総書記、2013年の全人代で国家主席に選出されることが確実となった。対日政策についての習氏の考え方がどのようなものであるかは、未だ不透明であるが、同氏が「太子党」に属し、江沢民前総書記が押している人物であることから、現在の胡錦濤総書記とは趣を異にする可能性がある。中国の世論も、中国が世界第ニの経済大国になる等発展を遂げつつあることから、自信をつけたナショナリズムが、伝統的な中華思想と相まって、対外強硬姿勢をとる可能性も否定できない。中国国内には、数々の矛盾があり、党や政府が国民の不満を抑えきれずに、感情的な世論に迎合するといった可能性も否定できない。
このような状況の下で、日本としては、日中間の個々の案件の処理といったアプローチではなく、今後の日中関係をどうするか、更には中国の台頭という21世紀前半の国際社会の重要問題にどう取り組むか、という基本を踏まえた長期的な展望とそれに基づく取組みが不可欠である。そして、その取組みは、相手の出方を見て対応するのではなく、こちらから積極的に働きかけることが必要である。
そのような取組みの基本は、日中関係が相互にとって利益となり、東アジアをはじめとする国際社会にとって望ましい関係を指向するということであり、そのために具体的にどういうことをすべきかについて、少なくとも次の三点が不可欠である。(つづく)
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