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2010-10-25 00:00
(連載)米中間選挙をめぐる世論調査結果について(2)
島 M. ゆうこ
エッセイスト
更に、11月の中間選挙で、(1)「オバマ大統領を支持するシグナル」としてある議員に投票する、(2)「オバマ大統領に反対するシグナル」としてある議員に投票する、(3)「そのいずれでもない」の質問に対し、(1)と答えた率は35%、(2)は34%、(3)が31%で、興味深い結果が出た。これは、オバマ大統領を支持する又は支持しないという問題より、何らかの新たな展開を求めている国民が増えたことを示唆している。
単刀直入な質問として、「上院・下院ともに多数派を共和党で占める議会と、両院の多数派を民主党で占める議会のどちらを好むか」という質問に対し、「共和党多数派の議会」と答えたのは44%で、「民主党多数派の議会」と答えたのは46%であった。昨年10月の調査結果では、前者が38%、後者は同じく46%であった。今年の調査結果には大差はないものの、「民主党多数派の議会」を望む有権者の方が2年連続して上回っている。しかし、昨年に比較すると、その差がかなり縮まったことが注目される。
また、「共和党候補、民主党候補、リバタリアン候補、グリーン党候補のいずれに投票するか」という質問に対し、「共和党候補」と答えたのは41%、「民主党候補」と答えたのは44%、「リバタリアン候補」は5%、「グリーン党候補」が3%であった。最後に「貴方はティー・パーティ運動の支持者ですか」という問いに対して、「イエス」と答えた調査対象者は30%で「ノー」と回答したのは59%であった。昨年10月の前者28%、後者61%に比較すると、ティー・パーティ運動の支持者がわずかに増えたようだ。
結論として、オバマ大統領への支持又は不支持率、及び民主党又は共和党への支持率には、大差がない事などから、今回の中間選挙の結果は予測しがたい印象もある。また、「民主党が多数派の議会を支持する」と答えた率がわずかにリードしているが、「下院で共和党の議席が増える」というのが一般的なメディアの予想である。2008年11月の大統領選直後、共和党は「オバマの政策案に対しては徹底して戦う」と公言した通り、この2年間、次から次にオバマ氏の政策案に反対し続け、一部を除いてオバマ氏の提案は可決される事はなかった。結果的に国民の反感を民主党に向けさせることが、今回の中間選挙、更に2012年の大統領選に向けた共和党の戦略である。従って、今回の中間選挙の結果「下院で共和党多数派」になった場合、次の2年間、オバマ氏の党派を超えた政策は成功するどころか、この共和党の戦略は更に強化されるだろう。(おわり)
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