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2010-10-24 00:00
(連載)米中間選挙をめぐる世論調査結果について(1)
島 M. ゆうこ
エッセイスト
11月2日の中間選挙は「アメリカが今後前進するのか、それとも後退するのか、有権者にとってはその選択を迫られる難しい選挙である」と言われている。この選択は、上下両院ともに民主党が多数派を占める議会が継続するのか、それとも、いずれか、または双方ともに共和党が多数派を占める議会に変わるのか、その選択をする選挙であると言ってもよい。高い失業率、住宅抵当倒れによる強制執行の未改善など、最も厳しい時代に直面している国民の最大の関心事は、なんといっても経済の建て直しである。国内政策では、医療保険改革法や政府の予算と財政赤字に関する不満、外交政策ではアフガニスタン戦争の意義に疑問を抱くアメリカ国民が増えている。
そのような中で、オバマ大統領への支持率は確実に落ちている。11月2日に迎える選挙について、10月14日から18日までに『NBCニュース』と『ウォール・ストリート・ジャーナル』が共同で中間選挙に関する世論調査行った。本稿では、この『NBC News/Wall Street Journal Survey』の要点を紹介したい。『NBCニュース』はリベラル傾向、『ウォール・ストリート・ジャーナル』は保守傾向のメディアとして知られている。調査の対象となった参加者の性別は男性が48%、女性が52%である。また、人種別には白人が圧倒的に多く78%、次ぎに黒人が10%、ヒスパニック系4%、アジア系2%、となっている。参加者の65%は「今回の中間選挙に積極的に参加する」意欲を示している。
「アメリカは正しい方向に向っていない」と懸念する声が最近高まってきているが、それに同感した調査対象者は59%で、「正しい方向に向っている」と答えた率はわずか32%であった。この世論調査によると、昨年10月の調査結果では、前者が52%、後者が36%であったことから、アメリカの方向性を懸念する声が、1年前より増えたことが明白になっている。「大統領としてのオバマ氏の仕事を認めるか、又は認めないか」という質問に対しては、「認める」と答えた率は47%、「認めない」は49%であった。これは昨年の調査に比較すると、「認める」の51%、又は「認めない」の42%に対し、オバマ大統領への支持率が落ちたことを示している。
同じく、「経済状況に対するオバマ大統領の対処の仕方」を認めるかどうかの質問に対し、「認める」と答えた率は43%、「認めない」と答えた率は53%で、如何にアメリカ国民がオバマ氏の経済政策に不満を持っているかが理解できる。この経済状況に関連した質問として、「今後12ヶ月の間にアメリカの経済は良くなるか、悪くなるか、又は同じだと考えるか」の問いに対し、「良くなる」と答えた率は37%、「悪くなる」は20%、「変わらない」が41%であった。「変わらない」と答えた率が最も高い背景には、オバマ氏の経済政策に対する国民の失望感を如実に反映している部分もある。もちろん、複雑な経済のしくみに加えて、第二次世界大戦後から続いている財政赤字の傾向など、急速な経済の建て直しは難かしいだろう。(つづく)
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