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2010-10-21 00:00
(連載)東アジアでの2つの権力移譲(2)
大沼 瑞穂
東京財団研究員・政策プロデューサー
中国共産党における権力の移譲は、それが民主的でないことからも、反対する勢力とどう折り合いをつけていくかが重要で、過去には、文化大革命、天安門事件などで失脚したリーダーもいます。保守派と改革派のせめぎ合いは常に指導者選出という部分であらわれます。中国が対外的に必死ともいえる強硬な発言をするのは、社会の不安定化が共産党に対する不満へと膨らみ、指導者の権力移譲がうまくいかずに、社会が混乱することへの警戒心の表れのようにも思います。特に尖閣諸島問題は、これまでの中国の対応以上に激しいものでした。
今後とも北朝鮮と中国は、権力移譲のために国内の求心力を高める必要から、表面上は強硬な発言を繰り返す傾向が現れるかもしれません。ここで日本にとって重要なことは、こうしたことにあまり惑わされず、しっかりと日本の立場や国益を主張しつつも、二次、三次トラックでの交流は積極的に展開するという姿勢です。
政治主導の外交は危うさを伴います。これまでも、日中国交正常化、平和条約の締結、天安門事件後の外交の解禁、天皇訪中など政治主導での対中外交の実現はたくさんありましたが、これらに至るまでに重要であったのは、日頃からの積み重ねです。
今回のような政治主導ではなく、日頃からの交流の上に、政治家がいざという時に判断する。そうした政治主導の外交を展開しないと、大きな過ちを犯す危険があります。政治主導の外交の在り方について、今後よくよく考えていかなければならないのではないでしょうか。(おわり)
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