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2010-10-20 00:00
(連載)東アジアでの2つの権力移譲(1)
大沼 瑞穂
東京財団研究員・政策プロデューサー
東アジアでは、ここ1ヶ月で2つの大きな権力の継承が起こりました。それは、北朝鮮での金正恩氏が金正日総書記の後継者として内外に示されたことと、中国の習近平氏の中央軍事委員会副主席への選出の2つです。前者は、これまでベールに隠されていた金正恩氏の存在が明らかになったことで大々的にマスコミに取り上げられ、連日紙面をにぎわせています。その一方、後者の習氏はすでに、副国家主席として選出された時から、次期国家主席となるべく、それは既定路線であったせいか、あまり驚きを持たれないでしょう。
しかし、中国での権力の移譲ということに、日本はもう少し、注意を持って見つめていくべきでしょう。このたびの尖閣諸島に対する中国の反応、民主活動家・劉暁波氏のノーベル平和賞受賞への反発、そして対北朝鮮外交を見てみると、そこには、権力移譲に対する中国共産党の異常なまでの警戒心が見て取れます。
中国では、2年後の18党大会に、習氏への権力移譲がスムーズに行われるかどうかが焦点です。そのため、周辺諸国との関係の安定とともに、中国国内での習氏への求心力を高めていく必要があります。それが、対外的には友好国である北朝鮮の3世代世襲の承認であり、国内的には、尖閣諸島やノーベル平和賞に対する強硬発言です。
習氏は、胡錦濤主席とは異なり、前々からリーダーとしてのポストが期待されていたわけではなく、むしろ、李克強氏や李源朝らの方が後継者として注目されていました。ところが、17党大会の半年ほど前、急に紙面に習氏の名前が出るようになり、あっという間に、副主席のポストに就いたのです。ですから、江沢民氏が突然、つるの一声でリーダーになったように、副主席のポストを得たのです。こうした経緯から習氏の権力掌握の力は未知数であり、中国では、18党大会では、胡錦濤―温家宝体制が持続するのではないかとの見方もあります。(つづく)
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