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2010-10-17 00:00
(連載)ヨーロッパで広がる反移民感情の波(2)
島 M. ゆうこ
エッセイスト
又、実際、昨年イタリアでは、アフリカ北部からの亡命者の入国を防ぐため、EU加盟国以外の国からの移民への労働ビザ発給を停止している。市民の反移民感情の理由としては「仕事を移民に奪われている」、「犯罪率が上がっている」、「時間を大切にする伝統が妨害されている」などをあげており、「近年の西ヨーロッパの中でも、ミラノが一番反移民感情の強い地域である」と、同紙は述べている。
ドイツでは、「イスラム教徒の移民は、ドイツ社会にとって経済的な負担になっている」と思われており、歓迎されていない。ドイツ人は、自分達の文化を保持することは望むが、イスラム教徒と融合することは望んでいない。ドイツ人は、アラビア語や女性が纏うスカーフなどのような文化を受け入れないからだ。ベルリンでは、イスラム教の礼拝堂建設を禁止したり、移民への福祉を削減することを主張する新党が台頭しているくらいだ。「教育も乏しく、融合性も無く、非生産的なイスラム教徒移民が、ヨーロッパで最大の経済を台無しにし、ドイツという国を破壊している」というのが、ドイツ国民の反イスラム教の移民感情であるようだ。10月12日付けの『ウォール・ストリート・ジャーナル』紙は「トルコやアラブ諸国のような違う文化を持つ国からの移民は、一般的にドイツ人の生活様式を受け入れるのに困難をきたす」とキリスト教社会同盟に属するある党員の発言を伝えている。
これに反対する政治家や経済学者などは「熟練労働者を確保するためには、ヨーロッパ諸国以外からの移民受入れを拡大することや、移民を増やすことで、ドイツの人口の老齢化や労働力の低下を解消しなければならない」と主張しているが、この論議は最近始まったことではない。結果的に、ドイツは2008年から他国に移転する人口数の方が、ヨーロッパ以外からの受け入れる移民数より増えており、実際に経済上必要で理想的な人口構造からは逆転する現象がおきているようである。
10月11日付けの『ダウ・ジョーンズ・サービス』紙は「アメリカとは異なり、イスラム教国からの受け入れるドイツの移民は、平均的に教育レベルが低く、貧しく、無職で、福祉に頼る者が多い」ことや、「ヨーロッパの単純作業を担う労働者クラスは、イスラム教国からの移民で占められている割合が多い」ことも、移民問題の一因になっていると述べている。(つづく)
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