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2010-09-24 00:00
(連載)尖閣問題処理の3本の柱(1)
湯下 博之
元駐フィリピン大使
尖閣諸島の領海内で起きた海上保安庁の巡視船と中国漁船の接触事件は、中国の国内事情を反映してか、急速に問題がふくらんでしまい、両国首脳レベルを含む各分野の両国間交流にも支障を来たす状況になってしまった。誠に遺憾なことであり、このようなことが繰り返されることは断じて防がなくてはならないし、今回の事件の処理そのものについても、大局を踏まえた英知を働かせる必要がある。その観点から、今回の事件を含む尖閣諸島問題の処理について、次の3点をセットとして提言したい。
第一に、日本が尖閣諸島に人間を常駐させることが大切である。尖閣諸島が日本の領土であることは明らかで、日本は実効支配をしていると言っても、無人島のままでは、今回のような事件や、かつてあったような外国人の上陸の再発を防止することは容易ではない。スキだらけにしておいて、手を出すなと言っても、通用しにくいのが国際社会の現実である。
常駐は、本来は、1970年代に中国や台湾が尖閣諸島の領有を主張し始めた時に始めるべきであったが、済んでしまったことを悔んでも解決にはならない。他方、今回のような事件があったにもかかわらず、常駐をしないままで年月が過ぎると、将来、国際裁判等が実現した場合にも、日本の立場は害される。今回の事件から学んだ結果として、これを機に、是非、常駐の体制を早急にスタートさせるべきである。
第ニは、日米同盟関係を再確認し、強化することである。この点は、多くを論ずるまでもなく明らかであると言えようが、日米同盟関係が確固たるものとして存在し、尖閣諸島が日本の常駐体制の下にあれば、他国がこれに手を出す可能性は大幅に減じよう。普天間基地移設問題がひっかかっているとはいえ、そのために日米同盟関係全体をゆるがせる愚を犯してはならない。(つづく)
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