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2010-09-08 00:00
菅、サポーター票軸に逆転優勢の目
杉浦 正章
政治評論家
後半戦に突入した民主党代表選挙の動向は、国会議員票で小沢一郎が僅差でリードするものの、地方議員と党員・サポーター票で菅が優勢な状況にある。問題は菅が国会議員票の劣勢を補える票を地方議員、党員・サポーター票で獲得できるかどうかにかかっている、という構図だ。もし国会議員が現状のままの僅差で推移すれば、400ポイントある地方・サポーター票の6割を菅が取れば僅差で勝つ流れが生じてきた。新聞・通信各社の国会議員票分析によると411人の国会議員票は、毎日が小沢186人対菅175人、日経が小沢160人対菅150人、共同が小沢170人対菅160人と僅差だ。
100人程度が態度を決めかねていると見られており、旧社会党グループ、旧民社党グループが割れているが、旧民社党グループでは菅が優勢になって来た。鳩山グループも一枚岩とは言えない。新人議員も40人程度が態度未定だ。終盤にかけてし烈な残票争奪戦が展開されるが、菅によほどの失言でもない限り大差は開かないものとみられる。現在の僅差の割合で推移した場合、国会議員票の822ポイントは30ポイントから60ポイント程度の差で小沢が有利とみられる。その最大60ポイントの差を菅が埋めるには、地方・サポーター票400ポイントの6割を取れば80ポイント分プラスとなり僅差で勝てることになる。
問題はその地方議員と党員・サポーター票の動向だが、読売の分析では菅が6割~7割を取る勢いだという。6割取れば80ポイントの差が生じ、7割取れば160ポイントの差となる。地方議員についてだけの分析でも、産経が菅5割対小沢2割で、40ポイント程度、菅が有利だ。毎日によれば党員・サポーター票では、菅が113選挙区を押さえたとみられるのに対し、小沢は62選挙区にとどまる。時事の調査も地方議員は菅支持が16都県、小沢は6県となっている。
こうみてくると国会議員票で菅陣営が僅差を維持できれば、潮流は地方議員票と党員・サポーター票で菅が有利に立つことになる。朝日によれば菅陣営の幹部は「地元を回れば国民の声は相変わらず『小沢はダメ』もうヤマは越えた」と余裕の表情だというが、まだ甘い。小沢がどんな隠し球を握っているかは未知数だ。地方議員は人脈で、党員サポーターは国会議員の圧力でひっくり返そうとしているに違いない。党員・サポーター票は郵送によるため11日が締め切り。菅が逃げ切れるかどうか、ここ一両日がぎりぎりの勝負となっている。
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