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2010-09-06 00:00
小沢対菅における安保政策の立場の逆転
大沼 瑞穂
東京財団研究員兼政策プロデューサー
最近の小沢さんと菅さんの議論を聞いていて、気がついた面白い傾向があります。管さんは市民活動家として活動され、その思想的なバックグラウンドもいわゆる「左寄り」とされてきました。一方、小沢さんは自民党の保守政治家として改憲論を堂々と述べる、どちらかという「右寄り」の政治家と見られてきました。9月3日付の読売新聞でも、佐伯啓思・京大教授が「菅氏は左翼リベラル系の流れをくみ、小沢氏は古いタイプの自民党の体質をひきずった保守的イメージを持つ」と述べているように、一般国民にとっても、そうしたイメージがあるのでしょう。
しかし、ここに興味深いアンケート調査が出ています。9月4日の朝日新聞の調査では「日本の防衛力は強化すべきか」や「他国から攻撃が予想される場合には、先制攻撃もためらうべきではないか」との問いに、小沢さんは「明確に反対した」のに対し、管さんは「どちらともいえない」と答えています。さらに、管さんが「日米同盟の深化」を唱え、「PKOに積極的に参加する」としているのに対し、小沢さんは「日本国憲法の理念に基づく国連中心主義」を主張しています。
いつの間にか、お二人の間で、外交・安保政策では、左右の立場の逆転が起きているようです。自民党にももちろん、右から左まで安保政策には、幅がありますが、小沢さんは決して「ハト派」に属する政治家ではありませんでした。民主党にも、安保政策には幅がありますが、管さんはどちらかと言えば、「ハト派」のイメージでした。お2人は今、どこを見て、誰を見て、行動しているのでしょうか。市民派の管さんがいかにも官僚の用意した「自民党時代のような」ペーパーを読んでいるような発言を繰り返し、小沢さんは「社会党のような」発言を繰り返しています。
最近、産経新聞は「民主党内の右寄りの勢力、旧民社系グループは菅さん支持へと動く」という記事を発表しています。30人という人数を抱えるこのグループの動向は、国会議員票に大きく影響を及ぼすのではないでしょうか。右か、左か。安保政策はなかなか中心的なイシューにはなりませんが、国の根幹を支える大きな問題です。お2人には、政治主導、雇用、経済ももちろん大切ですが、安保政策も多いに議論し、国民にご自身の「考えの変化」を提示していただきたいものです。
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