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2010-09-01 00:00
求められる民主党代表選挙のクリーンさ
大沼 瑞穂
東京財団研究員・政策プロデューサー
世論をバックに菅首相が勝つのか、国会議員票や地方議員票を固めることで小沢氏が勝つのか。このガチンコ対決に、国民の多くが「政争より政策」と言いつつも、釘付けになています。菅首相は、ここ1~2週間で支持率をすっかり回復しています。しかし、世論で支持率が高いからといって直接それが「党内選挙」に結びつくというわけではありません。世論調査とサポーター調査は似て非なるものです。そもそもサポーターになろうという人たちは当然「民主党」支持者で、小沢さんが代表時代からの支持者もいます。つきあいで頼まれてサポーターになった、会社の社長が民主党支持だから、自分もサポーターになった、といったおつきあいサポーターから、とにかく自民党が嫌いだから民主党にがんばってもらいたい、という嫌自民党のサポーターもいます。そうした人たちの投票コードは、必ずしも「世論」とは一致しません。
今後の代表選で菅首相は、メディアに訴える手法を効果的として、メディアでの登場を頻繁に行うでしょうし、「首相」という立場からもメディアに登場するでしょう。しかし、小沢氏はどこでどう動いているのか分からないモグラのように、地方行脚や国会議員、地方議員票固め、そして国会議員や地方議員が持つサポーター票固めに奔走するでしょう。その対比で、菅さんがリードしているという錯覚を国民は持つかもしれません。しかし、実際には、小沢氏の「圧勝」という結果もあるのではないか、と私は見ています。
注目すべきはサポーター票です。サポーター票はどう決まるのでしょうか。300の小選挙区で投票を行い、勝った方に1ポイントが割り当てられます。小沢氏の地盤である岩手はサポーター票が多く、他の地域との「1票」の格差は相当なもので、「小沢氏には不利」との見方もありますが、一方で小沢氏には「どこの選挙区で自分が勝ったか」が明らかになります。国会議員や地方議員は、反小沢を明確にしている議員は別にして、自分の選挙区のサポーター票の結果が、そのまま小沢氏に明かになることに戦々恐々としているはずでしょう。小沢氏が代表になれば、次の選挙の際、サポーター票で小沢氏が負けたところには、選挙資金を減らすという脅しが効くからです。となれば、小選挙区の国会議員は、サポーター票集めに奔走するでしょう。
そしてとどめは、やはり「財力」です。党内選挙には、公職選挙法が適用されません。となれば、当然、財力が決め手となります。小沢氏に鳩山氏というパトロンがついた以上、そこには、当然財力が働きます。それが、党内選挙です。クリーンな政治を掲げるのであれば、クリーンな党内選挙を行うべきです。しかし、残念なことに現在の党内選挙にはそうした仕組みがありません。党内選挙においても公職選挙法のような党内法を定めるべきです。まさに自民党が今、そうした政策を掲げるのであれば、これは国民の目を引きます。さらに、サポーター票にしても、買収が不可能な方法にしなければ、民主的な選挙とは言えません。代表選を選ぶという行為において、どれだけ「クリーンな政治」が行えるか。今後の政治にとっての大きな課題は、まさに「代表選におけるクリーンな政治の実現」ということではないでしょうか。
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