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2010-08-20 00:00
マスコミの「小沢立候補」説の真相
杉浦 正章
政治評論家
マスコミは「小沢立候補」でいったん民主党代表選を面白くするが、すぐに水を掛ける。それが習性だからだ。第5検察審議会の議決で「刑事被告人」になり得る小沢一郎を「首相」にしてよいのか、と主張するのが目に見えている。小沢が立候補すれば、民主党代表選挙は政策論争など吹き飛び、その争点は「政治とカネ」になる。敗れれば、小沢は完全に政治生命を絶たれる。それでも出馬するとすれば、党分裂につながりかねない“小沢暴発”だ。結局焦点は、小沢が振り上げた拳をどう下ろすか、菅が条件闘争に乗るかどうかだろう。
マッチポンプ・マスコミの先頭を走るのが読売新聞だ。8月19日朝「民主代表選、小沢氏が出馬を検討」と最終版で“スクープ”を飛ばし、20日付社説では水を掛けている。他のメディアでは、全国紙のスクープを憶面もなく追いかけるのが習性のNHKが、19日朝のニュースですぐに追随。朝日は夕刊で追いかけ、20日付「時時刻刻」で「勢いづく小沢待望論」とやった。しかし、共同通信は、見出しを慎重にとって「小沢氏、代表選出馬の是非検討、情勢見極め最終判断へ」とやり、鳩山研修会についても「小沢氏、挙党態勢訴え 代表選に言及せず」とむしろ懐疑的だ。毎日も、主見出しを「小沢氏首相に圧力」と裏を読んだ形にしている。そして火付け役の読売は、社説で「小鳩の総括と政策論が先だ」と見出しを取り、「小沢氏の場合、政治とカネの問題で検察審査会の審議が継続中だ。代表選に出馬するなら、どうけじめをつけるのか、具体的に語る必要があろう」と小沢を切った。この論調は、今後のマスコミの潮流のさきがけとなるものだ。
あえてマスコミの“習性”に言及するのは、論調が「小沢出馬」を左右しうるからだ。小沢はマスコミ論調の堀の深さを読んでいるのだ。しかし立候補すれば、小沢は「袋だたき」となる流れが明白だ。担いだ副代表・山岡賢次は、昔から政局の読みが恣意的で、まさにひいきの引き倒しを実践することになるのが分かっていない。また鳩山研修会の模様をよく観察すれば、動きの焦点は、鳩山側近の中山義活だ。100%鳩山の意を受けて会場をリードし、「気合いだ!」と応援団までやった。そのあと何と「菅降ろしは絶対に間違いだ。菅首相は党が結束できる条件を出してもらいたい」と発言したのだ。要するに、菅に向けて条件闘争を持ちかけたのだ。鳩山の内意を受けての発言だろう。鳩山は幹事長・枝野幸男を交代させて、党内バランスを取りたいと考えているに違いない。「挙党体制」を主張する意味がそこにある。
小沢が立候補すれば、戦いの構図は「首相をころころ代えるな」論対「政治とカネ」論の図式にならざるを得ないだろう。政策棚上げの権力抗争であり、小沢にとってばかりでなく、民主党政権にとっても最悪の構図だ。研修会の小沢を観察しても、出馬するなら会場に何で45分しかいなかったのか。発言もぱっとしない。小沢は事前に「出ても問題になるし、出なくても問題になる」と漏らしており、自ら進んで出席というわけではなかったようだ。山岡らの小沢出馬説リークは、160人の出席を達成すること自体に目的があったのではないかと思えてくる。結束を誇示して、切り崩しを避けようというわけだが、鳩山グループは一枚岩ではない。また出席者の中でも副代表・石井一、参院議員会長・輿石東らは菅再選支持だ。無理に小沢に持ってゆこうとすれば、とても160人は維持出来ずに割れる。
どこも報じていないが、小沢側近中の側近・藤井裕久が19日夜のBS番組で菅の対立候補がいないことを指摘して「総理になり得るのは、あの人(小沢)しかいない。しかし、いろいろな記事が出ているが、お出にならないと思う。だから菅さんの信任投票になるかなと思う」と述べいる。菅の信任投票になるかどうかは別として、小沢の不出馬を断言した側近は初めてだ。小沢が、このままでは城山の西?隆盛になってしまうことを懸念しての発言だろう。問題は「出るぞ」の脅しが、読まれてしまって脅しになっていないことであろう。民主党はこの予算編成の重要な時期に紛れもない権力闘争をしているときかと言いたい。
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