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2010-08-05 00:00
民主党議員総会は面白かった
入山 映
サイバー大学客員教授・(財)国際開発センター研究顧問
民主党の議員総会は面白かった。残念ながら編集された「さわり」の部分をTVで観ただけなので、あるいは全体の印象は異なったものになるのが妥当なのかもしれない。だが、数十分のダイジェスト版を観ただけで無責任に言わせていただけば、これはなかなか良いではないか。各党とも、問題を抱えた議員総会はぜひ公開にしてほしいものだ、というのが感想だ。その意味では、議員総会で石井議員が総括したように、あるいは一部のマスコミが報じたように、この議員総会のありようが、民主党の政権担当能力に疑義をもたせる、あるいは否定的な評価を与えるものだった、という意見には全く賛成できない。
政界事情通でない筆者にとっては、発言議員の所属グループ(派閥?)を画面で示していただければ、もっと面白かったように思う。「選挙に大敗した。執行部は責任をとれ」という意見ももっともなら、「国政遂行の責めにある人々のクビを簡単にすげ替えるような時期か」というのも説得力はある。何よりも、それが陰にこもらないでオープンにやり取りされるのが良い。例によって、民主主義的手続きには興味をお持ちにならない大物実力者は、欠席して何やらうごめいていらしたようだ。結婚式に出席されていた訳でもなさそうだったが。
小沢さんのジレンマというのは、「反小沢シフトは片腹痛いが、自分が党首選に出て当選でもしたら、次の選挙で民主党大敗は疑いない。さりとてダミーをたてようとすれば、それなりの疵もの商品か、二流どころの品揃えにならざるを得ない」という痛し痒しだろう。おそらくは、表に出ないで合従連衡のフィクサーという、手慣れた旧態依然たる政治行動に出ざるを得ない、ということだろう。菅さんもそこを見切っているのなら、断固アンチ小沢路線を貫くべきだし、第一それこそが政治手法として民主党が看板に掲げる筋合いのものだろう。アンチ小沢は良いとして、それ以外の歯切れの悪さはどうしたことだろう。羹に懲りて膾を吹いていらっしゃるとしかお見受けしない。
同じ平謝りをするのなら、「マニフェストは、無責任な野党時代の痕跡なきにしもあらず。できるものも、できないものもあり、ごめんなさい」というのが一番良いように思うのだが、そうはならないようですね。それどころか、参議院での政策合意形成よりも、衆議院で再度数合わせをやる方が楽でいいや、みたいなことになりかねない。迷走なさるのも、その場しのぎで頭を下げるのも結構だが、「これだけは譲れない。この旗だけは高く掲げる」というものが見えてこない。それを見せてこそが、韓信の股潜りではないか。それを思い出させてあげるのが、「みんなの党」の最大の仕事ではあるまいか。
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