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2010-07-29 00:00
(連載)日台FTA推進を通じて台湾を援護せよ(1)
高峰 康修
岡崎研究所特別研究員
台湾と中国は6月末に、共同市場の実現を柱として両国の経済連携を強めることを目指す「経済協力枠組み協定」(ECFA)を締結した。台湾の馬英九政権は、ECFA締結に極めて積極的に取り組み、台湾内外の独立支持派から、「統一志向である」「台湾の独立を危うくする」といった厳しい批判を浴びてきた。
確かに、中国の思惑は、ECFAを梃子に台湾を経済的に取り込み、中台統一に繋げる、というものであるから、馬政権への批判は理解できないことはない。しかし、ECFAには危険な側面もあるが、必ずしも直ちに中台統一に直結するとは言い切れない。中国が期待する通り台湾を経済的に取り込んで吸収してしまうということは、全く容易な話ではない。経済活動というものは、両者が儲かればこそ活発になるのである。これと政治問題は全く別の次元の話である。しかも、統一の是非というのは最高度な政治問題である。
台湾は、実体として既に2000万人の住民による民主主義国家である。一方、中国は全く対照的な独裁国家である。そして、台湾人の意思は、統一には「ノー」である。常識的に考えて、両者の統一など不可能に近いと言ってよい。7月23日に、台湾の対中窓口機関である「海峡交流基金会」の江丙坤理事長が、読売新聞の取材に対して、「台湾独立は中国が受け入れず、中台統一が台湾自民が受け付けない。台湾は現状維持の道を行くしかない」と述べている。
さらに、江理事長は「今後、双方は経済協議をさらに進めなければならず、当面、政治問題には入れない」とも言っている。すなわち、統一を前提とした政治的対話には応じないということである。また、ECFAは、台湾と他国のFTAを促進するものだが、これに関して、江理事長は、まずは東南アジア諸国から交渉を開始すると言っている。江理事長の発言が、もし民進党政権下のものであったならば格別とり上げることもないが、これが国民党の馬政権下での発言であることは、大いに注目すべきである。(つづく)
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