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2010-07-08 00:00
(連載)ロシアの対日政策の現状をどう見るか(1)
茂田 宏
元在イスラエル大使
ロシア軍は6月20日から7月8日までの予定で「東―2010」と名づけられた軍事演習を行っている。7月5日付『モスクワ・タイム』紙によると、セルジュコフ国防大臣は「この演習には、約2万の兵士、5000点以上の火砲その他の軍事装備、40隻以上の艦船、約75機の航空機やヘリが参加する」と述べた。
7月4日、メドヴェージェフ大統領は駆逐艦「ピーター大帝」号に乗船、演習を視察し、セルジュコフ国防大臣、ポポフキン国防第1次官、マカロフ総参謀長、ヴィソツキー海軍総司令官、シデンコ太平洋艦隊司令官などと会談した。ロシア大統領府のサイトによると、この会談でメドヴェージェフ大統領は、マカロフ総参謀長より「遠隔地での戦闘を想定した」などの報告を受け、軍のプロフェショナリズムを賞賛するとともに、「我々はここ(アジア・太平洋地域)に存在する諸問題を考慮して、・・・わが国の安全を保障する準備がなければならない。他の地域に比べ、それほど多くの問題があるわけではないが、ここでも問題はある。安全への脅威すべてを我々は知っている。こういう類の訓練は、この地域での課題を解決する我々の能力を示さなければならない」と述べた。
2月初めにロシアが発表した軍事ドクトリンで、ロシアへの脅威として「ロシアへの領土要求」が明記された。ドイツやフィンランドや中国や東欧諸国はロシアに領土要求をしておらず、領土要求をしているのは日本しかない。この演習が、日本を仮想敵とし、ロシアの主張する領土に上陸した日本軍を追い落とすために上陸作戦や空挺部隊降下の訓練をその一部として含んでおり、日本への示威も意図したものであることは、メドヴェージェフとマカロフの発言からも、明らかである。
この演習の一部が択捉島で行われるとの報道に関連し、7月2日、岡田外相は「択捉島での演習は、北方4島に対するわが国の法的立場に鑑み、受け入れられない」としていたが、ロシア軍は7月5日、択捉島で兵員1500名以上を投じて、仮想敵殲滅のための偵察・捜索、戦車や自走砲部隊の砲撃などを行った。日本大使館を通じ、日本はロシアに抗議したが、ロシア側はこの抗議の受け入れを拒否した。(つづく)
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