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2010-06-24 00:00
台風の眼はみんなの党の“躍進度”
杉浦 正章
政治評論家
参院選挙の台風の眼は、みんなの党の“躍進度”だろう。何しろ改選議席ゼロから選挙区・比例区合計の当選者数で2大政党に次ぐ第3位に躍り出る可能性が強まっているからだ。筆者の分析でも、みんなの党が、民主、自民両党票に食い込む傾向が強く出ている。とりわけ民主党が、みんなの党のおかげで苦戦を強いられるケースが多い。背景には、2大政党が消費税増税を公約に掲げた結果、増税が選挙のテーマに急浮上、「増税なしの財政再建路線」を主張するみんなの党が“漁夫の利”を占めそうな感じだからだ。
NHKの世論調査では、「議席が増えて欲しい政党」はみんなの党が5%で民主、自民に次いで3位。「いま投票するなら」と参院比例区の投票先を聞いた朝日の調査でも、みんなの党がやはり5%で3位。好調な傾向を肌で感ずるのか、代表・渡辺喜美は当選者数の予想を「選挙区2桁、比例区2桁」と合計で20議席以上という強気の予想を立てている。しかし「小・鳩体制」のままなら20議席以上も夢ではなかっただろうが、菅体制に変わってからは、「まさか」と言う数字だろう。しかし最低でも選挙区、比例区の合計で10議席は上回るのではないか、という観測が強い。
これは「消費税を上げる前にやるべきことがある。名目4%以上の成長率を続けることで、増税なしの財政再建路線を模索することだ」とする渡辺喜美の訴えが、増税を前面に出した2大政党に対して独自路線と映るからだろう。4%の成長自体荒唐無稽(むけい)で不可能であり、大衆受けを狙った“邪道公約”だが、その“逆張り”路線が当たりそうなのだ。とりわけ民主党は嫌だが、自民党はなお嫌だという浮動票をなびかせている傾向があるようだ。10議席を上回れば一挙にキャスティングボートを握り、参院がねじれるかどうかを左右しかねない議席となり得る。
一方民主党は、場合によっては連立与党の国民新党の獲得議席がゼロになりかねないことも悩みの種だ。60議席を取れば単独過半数が実現し、政権基盤は安定する。しかし今の流れでは困難だろう。官房長官・仙谷由人も「50以上の議席を取るのは、一時的なブームということなくしてはあり得ない」とにわかに慎重になった。56議席なら、国民新党がゼロでも与党で過半数は維持できる。この数字なら菅はほぼ安泰だろう。問題は、自ら設定した54議席を下回った場合だ。その場合は、たちあがれ日本、新党改革などをかき集めるか、場合によっては公明党を引き込むか、の連立組み替えが必要になる。菅が党首討論会で「新連立」やパーシャル連合の布石を打った理由は、ここにある。これに成功するかどうかが責任論回避のカギとなろう。自民党は民主党政権の過半数を阻止できなければ総裁・谷垣禎一が辞任すると表明しており、まさに背水の陣だ。
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