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2010-05-20 00:00
(連載)オバマ大統領のクリーン・エネルギー開発政策について(4)
島 M.ゆうこ
エッセイスト
『バイオ・サイエンス』誌によると、風原動機システムの環境問題はあまり懸念されていないが、大規模な土地を必要とするほか、空中の鳥が衝突したり、タービンに小さな鳥などが巻き込まれる可能性もある。太陽から放出される熱又は電気を生み出すソーラー・システムは、2050年までに大規模な電力資源になることが予測されているが、主な問題は天候に依存しなければならない点である。最近は一般家庭の屋根にも取り付け可能な太陽光発電システムが、有望性の高いソーラーシステムとして知られているが、最大の欠点は非常にコストがかかる点である。
コストの効率を図った新たなタイプのPVシステムの開発が現在進んでいるが、PVセルから発生する有毒な化学物質の廃棄問題など、主な環境問題の解決が残されている。他にも、多種の再生可能エネルギーについて討議されているが、どの方法も、今後40年間で著しい効果が期待できるものではないらしい。地熱を利用したエネルギー源は、コスト面では問題はないが、有毒廃棄物や大気汚染などの環境問題がある。家畜の糞から生産するバイオ・ガスは、メタンガス を利用してエネルギーに変換するシステムであるが、これには限界があるらしい。
「エタンガスや野菜油などを利用したバイオ燃料などは効率が悪く、特に魅力的なエネルギー源ではない」と、『バイオ・サイエンス』誌の専門家は述べている。再生可能なクリーン エネルギーに関する現状の問題点を考察すると、アメリカは今後も中東からの輸入オイルに依存し続けるとの見解を示す学者が多い。結論として、化石燃料である原油、天然ガス、石炭などが大気中の二酸化炭素の量を増加させており、温暖化の主な要因となっているのは承知の通りである。
このような再生不可能な化石燃料の掘削には限界があるにも関わらず、需要は高くなっているため、ガソリンの値段は高くなる一方である。アメリカは、国内での海底原油掘削や外国からの原油輸入に頼ることを極力減らし、ソーラー・エネルギー・システムや風原動機システムの開発を優先すべきである。私は2007年のアメリカ横断旅行の際、アリゾナ、ニューメキシコ、ネバダ、ユタ、南東及び中央カリフォルニアなど多くの州に、広大な砂漠地が広がっていることを目撃している。上記したようなコストや環境への問題点の解決策を急ぎ、雨量の低いこのような地域にソーラー・システムを普及させることが、オバマ大統領の目指す効率的なクリーン・エネルギーの推進に近づく最も理想的な方法であると考える。(おわり)
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