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2010-05-19 00:00
(連載)普天間基地移設問題に思う(2)
水野 勝康
社会保険労務士
鳩山政権は、従来日米両政府が苦労を重ねて合意に達したものまで、たたき壊してしまった。民主党内だけでなく、連立を組む社会民主党が「あくまでも県外・国外移設でなければまかりならん」と言い続けている以上、議論が一周して現行案に戻れば、閣内不統一で総辞職ものである。連日の沖縄関係の報道を見ていると、県外・国外移設でなければ、鳩山総理が八つ裂きにされんばかりの怒りが感じられる。もっとも、現実には、主として経済上の問題から、基地を容認する意見も沖縄では根強いものがあると言う。実際、アメリカでは経済上の問題から基地誘致活動をしている自治体もあるくらいで、基地の経済効果は決して無視できるものではない。基地移設派の話を聞いていると、日本や北東アジアの安全保障はおろか、身近である筈の沖縄の経済をどうするのかについても、明確な意見は出てきていないのが実情である。
私は、沖縄の基地負担の軽減を探る努力は常に必要であると考えているし、普天間基地は住宅街に接しており、危険であるから、移設が必要だと思っている。大阪空港もそうだが、住宅の屋根スレスレを飛行機が降りていく風景は、そう安心できるものではない。実際に沖縄では墜落事故も起きている。また、日米地位協定も本来ならば見直してしかるべきものであった。沖縄で幼女を強姦しておいて、基地の中に逃げ込めば、高跳びできるという現状は、これはもう安全保障云々と言う前の段階として、正義の点で問題がある。しかし、普天間問題がここまでこじれてしまえば、そうした別の問題を日米で議論する余地は最早ないだろう。
日本が日米合意を守られなければ、どうなるか。アメリカには、日本の要求に応ずる義務はない。そして、代替地への移転が大前提であった以上、その代替がされなければ、アメリカとしては普天間基地を返還する義務はなくなる。そう考えるしかない。このままでは、結局のところ危険な普天間基地の継続使用という最悪の結果になるだけではないか。
国内事情を理由にして、好き勝手に合意を変更するようなことになれば、日本は国際社会でますます信用されなくなる。言動が二転三転する国を、誰が信じられよう。私は、事ここに至った以上、日本には現行案を改めて推進するしか手はないのではないかと思う。ほとんど思いつきのような案に、アメリカ政府が乗るとは思えないし、その案が日本国内で実行できる可能性も低い、と言わざるを得ないからだ。鳩山総理はアメリカの大学で博士号を取得しているくらいだから、アメリカ社会の根底にある契約の観念の重要性を知らないわけはないだろう(知らなかったら更に凄いことだが)。「合意」を破っているのは、日米どちらか。鳩山総理に原則に立ち返った再考を求めたい。(おわり)
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