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2010-05-01 00:00
(連載)新しい国家目標を持とう(1)
湯下 博之
杏林大学客員教授
第二次世界大戦後、日本は廃虚から立ち上がって目覚ましい復興をとげたが、経済大国化を達成した後は国家として目指すべき目標がなくなってしまったと言われる。確かに、最近の日本はすっかり内向きになり、当面の問題についての議論に終始し、長期的な国家目標や方向性が見失われている。冷戦時代は、それでも何とかなり、また、やむを得ない面もあったが、冷戦が終結し、更に、多極化の時代になると、それでは済まなくなる。
このままでは、国家としての存在価値が失われ、没落の一途をたどることにもなりかねない。日本は、本来、底力を持っている国の筈である。多極化、多文化共生の時代を迎えて、日本の伝統や実績をも生かして、存在感を発揮できる国となるための新しい国家目標を持つことが、時代の要請であると感じられる。では、どのような国家目標を持つのがよいか。私は、次の三つの柱を提案したい。
第一の柱は、数字の上だけでなく、心で豊かさを感じられる社会の構築である。そのためには、GDP(国内総生産)でいえば国としての総額ではなく、一人当たりの額を増やすことを目指すべきである。経済の仕組みも、マネーゲームではなく実体経済を重視し、日本の伝統的勤勉さや企業文化の長所を再活性化して、人々がまじめに働くことを望み、かつ、働ける場や環境がある社会を構築する必要がある。
科学技術や人材育成に力を入れて生産性の高い新しい産業分野の発展に力を注ぐとともに、フェア(公正)とリーゾナブル(妥当)であることを重視して、既得権益にしがみつかなくても安心して生きられる社会を作る必要がある。資源に乏しい上に人口が減少する日本は、アジアとの共生、世界との共生がますます重要になる。混乱を招くことなく上手に共生できるような考え方や社会の体制を作る必要がある。(つづく)
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