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2010-04-29 00:00
(連載)問題のある鳩山総理の普天間問題への対応(2)
茂田 宏
元在イスラエル大使
第3に、外交には相手がいる。外交では、決着に期限を切ることは、合意した場合はともかく、そもそもしてはならないし、できないことである。「5月末までに決着させる」というが、日本側の案を米側が拒否すれば、決着などしない。自分で決められることとそうでないことの区別ができていない。
第4に、これが私の一番不満に思うことであるが、民主主義国の指導者は、自らの考えを明らかにして、国民にその考え方を訴え、支持を求めなければならない。沖縄の負担軽減のために、県外移設を適当と考えるのであれば、国民に自分の考えを述べ、日本国全体の安全保障の問題なのだから、国民全体で考えてほしいと訴え、協力を求めるべきである。それをしないで、「腹案はあるが、明らかに出来ない」などというのは、こそこそとした態度である。
バトル・オブ・ブリティンの際に、チャーチルは英国の苦境を国民に率直に述べつつ、対独戦での結集を呼び掛けた。正直に、率直に、やってもらわないと、国民も支持しようがない。もう時期を逸してしまった気もするが、「命を守りたい」などと、大向こう受けを狙う演説をするのではなく、正直に本心を述べて、支持を訴えないと、国民は、支持も、信頼もしようがない。どう考えているのかわからない人に附いていく人はいないし、附いていきようがない。
日米同盟が普天間問題で駄目になるとは、私は考えていないが、この問題が日米関係や日本の国際的信用に落とした影は大きい。このような日本国と国民の安全保障に関わるような話は、堂々と国民に考え方を説明し、国民の世論を背に対外交渉に臨むべきである。水面下で米とすり合わせるのを優先するなどという密室外交は、やめるべきであろう。(おわり)
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