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2010-04-01 00:00
オバマ大統領は“ナイーブ”ではなかった
島 M. ゆうこ
エッセイスト
アメリカ人は一般的に、そして特に欧米諸国民から、ナイーブな国民だと見られているようです。アメリカの政界で“ナイーブ”という言葉が使われるときも、“世間しらず”、“青二才”というニュアンスが強いようです。多分、日本の指導者を“ナイーブ”だというときも、例外ではないのかも知れません。
医療保険改正法案が米議会を通過する前までは、ティーパーティのメンバーから散々「独裁者」と呼ばれていたオバマ大統領でさえ、西欧諸国の首脳陣及び国内の政敵からは“ナイーブ”と批判されていたくらいですから。例えば、昨年9月に会談したフランスのサルコジ大統領は、オバマ大統領について「信じれないくらいナイーブだ」という印象を持っていたようです。アメリカは、自由世界の西側諸国をリードするというより、リードされるんじゃないか、といような危惧を抱いたようです。
また、2008年11月の大統領選で共和党の候補だったマケインは、ベトナム戦争で捕虜兵として拷問を受け、生き延びてきた経験があるだけに、オバマを非常に“ナイーブ”だと思っている一人です。特に、テロリスト容疑者を拘留しているキューバのグアンタナモ湾の海軍基地刑務所を閉鎖するというオバマの対テロ政策や中東政策を非難する際、この“ナイーブ”という表現をよく使っています。マケインは、自分自身が拷問で苦しんだ経験がありながら「ある程度の拷問は、取り調べを強化する意味で必要だ」と主張しており、大統領就任後「アメリカは、拷問はしない」と宣言したオバマの対テロ政策を“ナイーブ”だと批判しているわけです。
しかし、オバマ大統領は、彼自身が最優先すべき国内政策として打ち出していた医療保険改正法案を通過させることに成功しました。他国との関係で“ナイーブ”だという印象を与えていたとすれば、それを払拭する効果があり、そこにかれの秘められた強い意思があったのだと思います。これは日本の“ナイーブ”な政治家が学ぶべき点だと思います。
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