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2010-03-26 00:00
(連載)国策として官民一体の行動モデルを築こう(1)
湯下 博之
杏林大学客員教授
昨年末にアラブ首長国連邦(UAE)のアブダビ首長国の原子力発電所建設プロジェクトの国際入札で韓国勢が受注し、先月にはベトナム政府の原子力発電所建設プロジェクトの第一期工事をロシアの国営原子力企業ロスアトムが受注することが明らかになり、しかも両ケースとも、関係企業のみでなく、韓国及びロシアの政府による強力な働きかけが大きな役割を果たしたことが判明した。
日本の関係企業も熱心な働きかけをしており、技術や経験に関しては自信を持っていた。ベトナムについては、昨年11月に来日したベトナムのズン首相に鳩山首相から日本企業への発注を働きかけたりもしたが、ロシアは軍事面での協力も約束したことなども報じられた。こうした事実を踏まえ、新興国や発展途上国のインフラ分野のプロジェクトに対しての日本全体としての官民あげての取組みの必要性が痛感され、具体策が検討されていると報じられる。
インフラ分野の大型プロジェクトは、その国の国家プロジェクトであるので、民間プロジェクトとは異なり、官民一体となってのアプローチが大切である。もともと日本には、官民が一体となって経済活動をし、成果を収めた経験がある。第二次世界大戦後の復興期の経験であるが、いわば成功し過ぎて、諸外国から「日本株式会社」と叩かれて、その仕組みが崩壊してしまい、現状は逆の方向のばらばらな状態と言える。
状況が変わり、ゲームのルールも変化した今日、もう一度、官民一体の行動モデルを築くことは、必要かつタイムリーなことと思われる。唯、そのためには、民が横並びの競争で足の引っ張り合いをしていては話にならないし、また、官民一体と言っても、やみくもに、なりふり構わずに外国政府に働きかけるというのでは、一度はうまく行っても、長期的にはうまくいかない。国策として、しっかりしたビジョンと政策を持った上で、国を挙げての協調体制を作ることが大切である。(つづく)
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