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2010-03-23 00:00
谷垣自民党は、役員人事を刷新するしかない
杉浦 正章
政治評論家
自民党総裁・谷垣禎一は民主党の支持率下落がとどまるところを知らないのに、自分の党の支持率が低迷している原因を分析したことがあるのだろうか。恐らく半可通の話ばかり聞いているのだろう。究極的原因は、旧態依然の“顔”にあるのだ。“顔”が変わらなければ、国民の間に刷新イメージがわかないのだ。その意味で、党内若手議員らが執行部刷新を要求しているのはもっともだ。このままでは、もし幹事長・小沢一郎が辞任カードを切った場合、民主党への支持復元効果が生じて、自民党支持率は目もあてられない惨状に陥るだろう。自民党は、参院選前に幹事長人事を軸に、新たな体制を発足させるしかない。野党なのだから、人事に失敗と気がついたら、直ちに改めればよいのだ。
自民党執行部の失策を上げたらきりがないが、やはり最大の失策は幹事長・大島理森と国対委員長・川崎二郎の審議拒否だろう。これがきっかっけとなって、執行部批判が拡大しているのだ。川崎は、民主党国対委員長・山岡賢次あたりから嘲笑されているくらい、判断力が甘いのだ。谷垣の盟友だと言うが、谷垣人事の最大の失敗は、情実的な国対委員長人事と言ってもよい。これに乗って「今をおいてない」と谷垣が大見得を切って、審議拒否をしてしまったのだ。長崎知事選に勝った勢いをかって、論戦で攻める絶好の場面を逸したのだ。大島の評判の悪さも並大抵ではない。大体世論調査の首相候補で名前も出てこない幹事長では、今の政党を引っ張ってゆけまい。
自民党議員の話を聞いても、執行部批判、とりわけ大島批判は、相当なものがある。このままでは求心力どころか、遠心力が働き続け、政権発足わずか半年で回ってきた千載一遇のチャンスを逸する可能性がある。離党者続出となる恐れもある。谷垣は執行部刷新を求める若手の動きを、かっての自民党の人事抗争の次元でとらえるべきではあるまい。むしろ強い危機感に根ざした、愛党精神が根底にあると心得るべきだろう。谷垣は、これらの声を汲み上げるどころか、理由をつけて3月25日から予定していた両院議員懇談会を来月1日に延期してしまった。沈静化を図る意図があるのだろうが、この場面は逃げでは対応できない。どうも人事に手をつけるのが嫌なように見える。これでは、いまのところ幹事長以下の刷新論にとどまっている動きが、一挙に谷垣へと向かいかねないことを心すべきだろう。
現在の体制は、谷垣の「みんなでやろうぜ」とはほど遠いものがある。対外向けには絶好の“売り”である与謝野馨、舛添要一、河野太郎を外に置いたままである。石原伸晃も組織運動本部長では、もったいない。焦点は、この4人を中枢に取り込むことだ。まず与謝野を副総裁で処遇すればよい。民主党批判の理論的な支柱になるだろう。幹事長は、人望のない枡添では無理だ。破壊力のある現政調会長・石破茂がよい。若年層など国民の評判も良く、うってつけだ。枡添は政調会長がよい。河野太郎も石原と共に幹事長代理で処遇すればよい。これだけの人事で、対民主党攻撃力は格段の違いが出る。発言も役職を背景にした重みが出てくる。
問題は、谷垣にこの人事をやる政治力があるかどうかだ。「敵失」は最高潮に達している。ほうはいたる小沢一郎辞任要求の声は、全く収まるところを知らぬ空気だ。北教組幹部らの起訴にもかかわらず、小林千代美議員は「小鳩」と共に頬被りだ。小鳩体制が、支持率20%台に落ち込むのは目前だ。さすがに民主党内にも辞任要求の動きが公然と噴出した。しかし“辞任カード”を切れば、支持率が回復すると見れば、小沢なら切りかねないと見るべきだろう。切られたら自民党はどうなるか。目の前の“敵失”が一挙に消えかねないのだ。何の好材料もないまま支持率15%(朝日調査)を徘徊(はいかい)するしかなくなる。分かりきった流れに手をこまねくのなら、勝手にするしかない。自民党は地獄を見ることになるだけだ。
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