ホーム
新規
投稿
検索
検索
お問合わせ
本文を修正後、投稿パスワードを入力し、「確認画面を表示する」ボタンをクリックして下さい。
2010-03-21 00:00
まだ不明な欧州金融危機の深層分析
池尾 愛子
早稲田大学教授
米シアトルのワシントン大学で、3月5日にマレク・ベルカ氏(IMF ヨーロッパ部門理事、ポーランド出身)の講演「世界経済危機下の中東欧情勢」を聴く機会があった。
昨2009年の経済成長率については、マイナスを示した国が多かったとのことであった。ベルカ氏は世界全体の資金の余剰と不足を説明したうえで、以前には、東・中央ヨーロッパには主に西ヨーロッパから資金が円滑に流入していたものの、2008年9月にリーマン・ブラザーズが破綻してから、急に資金の流れに淀みが発生したと指摘した。
彼は、東ヨーロッパでは、非貿易財(non tradables)に対する需要が伸び、それらの価格も上昇していたと説明していた。質疑応答のセッションで確認すると、価格が上昇した非貿易財に、住宅や建物が含まれ、非貿易財である金融サービスに対する需要も増加していたとのことであった。また、確かに住宅バブルと呼べる現象があり、黒海沿岸の住宅・建物に対する需要は、地元の人たちによる需要とは限らないとのことであった。
さらに外国銀行が東・中央ヨーロッパに展開しており、各国の金融当局が規制すべきことをまだ把握しきっていない、という指摘も示唆的であった。ヨーロッパの金融危機の深層分析には、まだ時間がかかりそうに思われる。 (3月23日加筆・修正)
投稿パスワード
本人確認のため投稿時のパスワードを入力して下さい。
パスワードをお忘れの方は
こちら
からお問い合わせください
確認画面を表示する
記事一覧へ戻る
グローバル・フォーラム