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2010-03-11 00:00
(連載)外交に関する世論調査(1)
大河原 良雄
グローバル・フォーラム代表世話人
政府は、昭和末期から毎年秋に内閣府政府広報官による「外交に関する世論調査」を実施し、その結果を発表している。平成21年10月の調査の結果が発表されているので、興味のある点を摘記してみたい。
(1)アメリカに対する親近感
今回発表の分では「親しみを感じる」が78.9%で、「親しみを感じない」の19.1%と対比される。この数字は好悪それぞれに過去最高の78.1% (1991年)、最低の16.8%(1979年) に対比されるが、最初に調査の実施された1978年にはそれぞれ72.7% 及び19.5% であった。親近感、非親近感それぞれの変動の振幅が、前者が1.5%、後者が11.3% であり、対米親近感の振幅は意外に小さい様にみられる。1986年に好悪それぞれ67.5% 対28.1% とあるのは、前年の1985年に『ニューヨーク・タイムズ』の掲げた「日本からの脅威」と題するセオドア・ホワイトの対日警戒論に始まる対日脅威論のひろがりに対する反応の現れとみてよいであろう。昨年(2009年)の好感度の高まりは、オバマ新政権の誕生と、これに見合うかのような鳩山新政権の登場による、新しい日米関係に対する期待感の高まりを反映したものかとみられる。
(2)日米関係の現状
日米関係の状況については、2009年に「良好だと思う」が81.8%、「良好だと思わない」が14.4% であり、2008年に前者が68.9% 、後者が28.1% であったのに対し、大幅に動いている。それまでの比較的振幅の緩かった動きの型を変えているのが目立つ。小泉純一郎総理とジョージ・ブッシュ大統領の個人的親交が広く喧伝された時代には、日米関係は良好だとする比較的高いレベルの明るい受け止め方がされていたのが、2007年及び2008年と安倍、福田総理時代には一転して際立った落差を示している。これは小泉総理時代に靖国問題を繞って日中関係が疎遠になったのと反射的に、対中国友好関係の回復に向けた努力が払われて、対米関係への熱意が相対的に冷えたものとみるべきなのかも知れない。
(3)中国に対する親近感
中国に対して「親しみを感じる」は、国交回復の1978年の62.1%から、1980年の最高78.6%を頂点とした後、逐次低下傾向を示し、爾来、1998年に「親しみを感じない」が46.1%と「親しみを感じる」の44.6%と逆転して以来、対中感情は急速に悪化し、2008年には「親しみを感じる」の23.7% に対し、「親しみを感じない」は71.9% と倍以上の悪化を示している。尤も2009年には「親しみを感じない」の55.2% に対する「親しみを感じる」の38.5% と若干の改善を示している。(つづく)
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