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2010-03-09 00:00
(連載)米中関係の深化に変化なし(2)
若林 秀樹
元参議院議員
もちろん中国にとっては、チベットやウイグル地区等での少数民族問題、言論の自由等に関する人権問題、そして台湾への支援は、絶対に黙っていられない「国内問題」である。米国といえども、これらの問題に関するあからさまな行動をとれば、中国は少なくとも表面的には批判せざるをえない。しかし中国は、米国の台湾への武器売却問題で、関与する米企業に制裁を科すと言いながら、未だに企業名や制裁の内容を発表していない。またダライ・ラマ14世との会談についても、「強い不満と断固とした反対」を表明したにすぎない。
ダライ・ラマ氏との会談は、米国だけではなく、ドイツやフラン等の主要国も行っており、中国はその都度、お決まりの批判をするが、その後、悪化した関係を引きずることはない。特に仏中関係は一時的にかなり悪化したと言われたが、サルコジ大統領は今春、上海を訪問することを発表し、中国外相は、大統領との会談で、その訪問を「喜ばしい(delighted)」と発言した。
国際政治は、国内政治の延長線上にある。中国は今後も自己主張を益々強め、米中共に表面的には軋轢を感じさせるような言動を続けるであろう。しかし米中は、どちらもお互いの協力なくしては、経済も、外交もなりたたないことを知っている。どこで矛先を収めるのか、国内世論の動向を見ながら、その機会を見極めることになろう。
米中間の大きな流れを見極めず、この機に乗じて、日本が中国に擦り寄るような態度を取れば、米国のみならず、中国にも馬鹿にされるだけである。ダライ・ラマ14世は、この6月に来日するが、これまで会談した日本の首相は、大平正芳氏のみである。中国との関係を重視する鳩山政権が、ダライ・ラマ14世と会談するとは思えないが、少数民族にも「友愛精神」は発揮されるべきである。本来は、日本の毅然とした外交姿勢と共に、ダライ・ラマ氏と会談しても悪化しないような日中関係の構築が望まれる。(おわり)
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