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2010-02-26 00:00
普天間基地問題とこれからの日本
湯下 博之
杏林大学客員教授
普天間基地問題をめぐって、私は、2009年12月25~26日の本欄に「(連載)普天間基地移設問題と外交(1~2)」と題する投稿をしたが、2月21日のNHKの「日曜討論」は、上記拙稿の第5、6、7点との関連で、有意義であった。一定の結論や方向性が得られたわけではないが、種々の主要な論点が提起され、あのような議論が、更に、雑誌その他のメディアをも含めて、本格的に展開されることが、これからの日本にとって是非共必要と考える。
普天間基地移設問題は、同基地周辺の住民の問題として、或いは沖縄県民の問題として、切実な問題であるが、同時に、基地問題をも含めた日本の安全保障政策の問題、日米同盟の意義やあり方の問題、更には冷戦後の多極化世界における日本の位置づけや役割の問題と直結した重要な問題である。ところが、これ迄、そのことが意識されず、議論もされず、普天間基地問題は、ローカルな問題として取り組まれて来た感じが強い。これは、上記の拙稿でも述べたように、冷戦時代の副産物で、日本が国全体として安全保障ぼけのような状態になっているからであると考えられるが、このままでは、これからのアジアや世界において、日本が安全と繁栄と尊厳を維持することは不可能である。
早急に、基地問題をも含めた日本の安全保障政策の問題、日米同盟の意義のあり方の問題、冷戦後の多極化世界における日本の位置づけや役割の問題について、真剣な、掘り下げた議論を進めることが必要である。そのための方法論としては、政府の人選による委員会を作って、論点整理と方向性(案)の提示をするのも一案であろう。また、米軍再編等の世界的規模の米国の安全保障政策の要旨の周知も必要である。
更に、安全保障問題において、力の重要性は言うまでもないが、他方、力だけでは道を誤ることも実証ずみであり、総合的なアプローチの必要と具体案について、米国や西欧諸国との協議を進めることも必要である。ところで、以上に述べたことは、不可欠ではあるが、時間がかかる。普天間基地移設問題そのものは、早急な解決を要し、かつ合意済みの問題である。したがって、普天間基地移設問題は、合意どおりに早急に実施し、併せて上記の議論を進めることが大切だ。
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