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2010-02-16 00:00
(連載)ウクライナ大統領選挙についての所感(1)
茂田 宏
元在イスラエル大使
2月7日、ウクライナで大統領選挙の決選投票が行われた。選管発表では開票率96%で、ヤヌコビッチ候補が48.3%の得票を得、ティモシェンコ候補が46%の得票を得た。未開票地区はヤヌコビッチの地盤である東部、南部であるので、ヤヌコビッチの当選が確実になった。ヤヌコビッチは2004年の大統領選挙でいったん当選者とされた後、選挙不正があったとされ、「オレンジ革命」で再選挙になり、それでユーシェンコ候補に敗れたが、今回雪辱を果たした。「オレンジ革命」は、5年でひっくり返されたと言える。
2004年の選挙では、ロシアはヤヌコビッチを支援した。ティモシェンコはユーシェンコとともに「オレンジ革命」を主導したが、ユーシェンコ大統領との主導権争いの末、ユーシェンコと対立した。その過程で、親ロシア姿勢を鮮明にし、特にプーチンとの間に良好な関係を築いていった。したがって、ヤヌコビッチとティモシェンコのいずれが当選しても、対ロ関係改善は既定路線であった。
そういうことで、ロシアは今回選挙への介入はあまりしなかった。国際監視団も取りあえずの見解としては「公正に行われた選挙であった」と評価している。では、そのような今回の選挙があたえる影響は、どのようなものとなるであろうか。
ロシア・ウクライナ関係は改善に向かう。ソ連のミサイル生産が主としてウクライナで行われていたように、ロシアの軍事力を支える産業の多くがウクライナにある。また、クリミアのセバストーポリにはロシアの黒海艦隊が駐留している。「オレンジ革命」後のロシア・ウクライナ関係の緊張は、そういう関係に諸問題を投げかけていたが、それらが解消されることになるだろう。対ウクライナ関係の改善は、ロシアにとって地政的・軍事的には多くのメリットがある。ロシア・ウクライナ間の歴史問題(過去のロシアのウクライナ政策は弾劾の対象になっていた)も解消に向かうであろう。(つづく)
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