ホーム
新規
投稿
検索
検索
お問合わせ
本文を修正後、投稿パスワードを入力し、「確認画面を表示する」ボタンをクリックして下さい。
2010-02-14 00:00
(連載)苦悩が続く日米「民主党」政権(2)
若林 秀樹
元参議院議員
かつてウィンストン・チャーチル英首相は、「実際のところ、民主制は最悪の政治形態と言うことが出来る。これまでに試みられてきた、他のあらゆる政治形態を除けば、だが」と言った。つまり共産主義等の政治体制に民主主義が打ち勝ってきたことを、逆説的に述べたものである。しかし2010年にチャーチルが生きていれば、違ったことを言ったかもしれない。今、一党独裁で言論の自由さえない中国は、世界経済を牽引し、国際政治にも大きな影響を与え始めているからだ。
共産主義ではないが、事実上の一党独裁国家であり、発展を続けるシンガポールも、同様の例である。中国は、民主主義の手続きに時間がかかっている民主国家を横目に、必要な政策をスピーディ且つ強引に進め、金融危機をものともせず、急成長を遂げている。このような中国やシンガポールは目指すべき国家のモデルになってはならないのだが、日米は中国の政治・経済に依存した構造に陥っているのも現実である。
オバマ大統領は、演説の中で「国民は、選挙に明け暮れているような米政治にいらだっている」、「民主主義は時として、騒々しく、混乱し、複雑になる」と指摘しつつも、同時に「我々がここに存在する唯一の理由は、幾世代もの米国人がひるまず、成功が不確かであっても、必要であれば実行し、この国の夢の輝きを子供や孫たちのために保ち続けたおかげだ」と、「超党派での協力」と「変革の必要性」を訴えた。
日本も、かつて自民党一党独裁政治と官僚システムによって高度成長を遂げ、その実態は今の中国と大差はなかった。しかし、その政治体制が行き詰ったからこそ政権交代が起きた事実を忘れてはならない。民主主義と定期的な政権交代こそが、成熟した国家を発展させる基盤である。変革を進めようとすれば、出血を伴う痛みはつきものである。しかしそれが健康体になるための痛みがどうかを判断するのは、当事者である我々自身の責任である。(おわり)
投稿パスワード
本人確認のため投稿時のパスワードを入力して下さい。
パスワードをお忘れの方は
こちら
からお問い合わせください
確認画面を表示する
記事一覧へ戻る
グローバル・フォーラム