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2010-02-13 00:00
(連載)苦悩が続く日米「民主党」政権(1)
若林 秀樹
元参議院議員
オバマ大統領、鳩山首相は、それぞれ就任後初となる「一般教書演説(1月27日)」、「施政方針演説(1月29日)」を行い、2010年の政策課題を国民に明らかにした。演説の中でオバマ氏は、「仕事」を23回、鳩山氏は「いのち」を24回連発、そこには両首脳が抱える共通した悩みがうかがえる。共に高い支持率の下で政権が船出したものの、内政、外政共に国民の期待に応えられず、支持率が急降下。日米ともに財政赤字は過去最高を記録し、選挙公約の目玉政策の実現に暗雲が立ち込めている。
本年は共に重要な「中間選挙」、「参議院議員選挙」を控え、民主党と、野党である共和党、自民党との対立が深まり、国民の目線とはかけ離れた次元での権力争いが続く。このままでは日米共に国際的地位の一層の低下は避けられない。両首脳の演説の発言には、政権運営が順調に進んでいない苛立ちが感じられた。積年の課題である米の医療保険改革では、共和党が上院を通過した法案に反対し、政策的に両党の案は大きな差がないにもかかわらず(オバマ大統領)、不毛とも思われる醜い対立が続いている。議論が白熱すればするほど、政党間にも国民の間にも亀裂が生まれ、法案の行方は益々不透明になってきた。
日本では、「政治とカネ」の問題が争点となっている。もちろん事の重大さは理解できるものの、自民党はかつての民主党と同じように、その問題の追及にやっきになり、国家運営にとってもっと大切な経済・財政政策、外交・安全保障等は二の次のように見えてしまう。メディアも一緒になって「政治とカネ」で国民を煽り、一方で普天間基地移設問題では、民主党の現行合意案の変更や決定の先延ばしに関する発言をさんざん批判しながら、民主党が現行案の実施を暗にほのめかすと、沖縄県の民意を逆なでするものだとして、手の平を返したように酷評する。結局、メディアは政治に対する不信感を自ら増殖させ、混乱させている自覚がないとしか思えない。
何のために政治はあるのか。幕末思想家の横井小楠は、「国家の目的は、民を安ずるにある」と言った。政治はこの国家の目的を果たすために存在する。この点に関して、今の民主的な政治体制が本当に効率的で望ましいシステムなのかどうか。また政治家は、この横井小楠の言葉を本当に肝に銘じて、活動しているのかどうか。自戒の念を込めてため息をつく時がある。(つづく)
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