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2010-01-29 00:00
(連載)対外交流事業の仕分け結果は、国益を害した(1)
田島 高志
国際教養大学客員教授
新内閣の行政刷新会議による事業の「仕分け」は、大きな反響を呼び、無駄な予算を削る試みとの観点から肯定的な世論の支持が多かったように見受けられる。しかし、あらためてその内容や経緯を調べてみると、実際には、民主党のマニフェストを守るための財源確保を目的に、無駄ではなく有用な事業であっても、無理やり理由をつけて縮小または廃止と決めつけた例が、決して少なくない。
その中で、例えば科学技術や農業に関する事業などは、一般市民からも有識者からも疑問や強い反論が出され、仕分け結果が覆された。しかし、効果が直ぐには目に見えない、長期的な効果を狙う事業の場合は、政府の担当官が熱心に必要性を説明しても、十分に耳を貸してもらえず、縮小や廃止を強制され、担当官のみでなく、関係者をも失望、落胆、または憤慨に追い込んだ事例は、相当ある。
私は、外交を職業とした経験から、特に外務省関係予算の仕分け作業に注目した。仕分けの結果、縮小または廃止となった案件は、日本での大型国際会議開催、国際協力機構(JICA)の運営費、技術協力および無償資金協力費(いわゆるODA予算)、国際交流基金の政府出資金、国内外広報経費、人物招聘事業経費、日本国際問題研究所の補助金、国際機関への拠出金、在外公館の維持運営経費などであった。
これらは、日本の外交予算が他の主要国に比し未だはるかに少ないことを考えれば、国益増進のためには、すべて縮小や廃止どころか、本来むしろ大きく増大すべきものばかりであった。その中、ここで特に指摘したい例は、人物招聘事業の大幅縮小、アセアン諸国からの留学生に対する特別奨学金制度の廃止、および国内外広報経費の大幅縮小である。(つづく)
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