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2010-01-27 00:00
(連載)ハイチ大地震に見る日米中の対応の違い(2)
若林 秀樹
元参議院議員
一方、どうしても比較してしまうのは、発生後33時間で現地に救助隊を到着させた中国である。米国以外では「世界の中で一番に最初に到着した中国の救援隊」という紹介で、その映像が全米をカバーするTVネットワークで放映された(実際にはアイスランド等が早かったようだが、映ったが勝ち)。アメリカ人のみならず、この映像を観た世界中の人々の中国に対する印象は言うまでもない。中国にとっては、勿論、それなりの思惑がある。軍事・経済で影響力を持ち始めた中国は、人道分野でも世界に貢献する姿を広め、中国脅威論を多少なりとも弱めたいところである。また何よりも、台湾のみと外交関係を持っているハイチに対して恩を売り、後の外交関係の樹立につなげたい狙いがある。中国がハイチ国連平和維持活動(PKO、MINUSTAH)に警察官を派遣しているのは、その理由からでもある(残念ながら今回の地震で8名の中国人が命を落とされた)。本来、外交というのは、国益と国益のぶつかりあいであり、綺麗ごとだけではなく、中国のようなしたたかさも必要なのである。
日本はこれまでの経験を踏まえ、24時間以内で国際緊急援助隊チームを編成し、日本を飛び立てる力を持つまでになった。非軍事面での世界貢献を強調し、世界の人々の命を守り「友愛」を標榜する鳩山政権であればこそ、米国や世界に対してその政治思想をカタチに現すチャンスであった。反応が鈍く初動のタイミングが遅れた政治的判断ミスが悔やまれる。このような緊急時への対応で政権の真価が問われる。まだまだ頭に体がついていってない一例である。
医者であり、2002年に癌で亡くなられた今井澄参議院議員は、日本の国会議員としては極めて珍しく、1994年以来、短期間に2回ハイチを訪れ、その実情を私に話してくれたことがある。貧しいハイチを目の当たりにした故今井議員が、この地震の惨状と、日本の対応を知ったら、さぞかし嘆かれたことであろう。(おわり)
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