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2010-01-26 00:00
(連載)ハイチ大地震に見る日米中の対応の違い(1)
若林 秀樹
元参議院議員
6千人以上が犠牲になった阪神大震災から1月17日で丸15年を迎えた。あの時の教訓はどこに生かされているのであろう。その4日前の13日の早朝、中央アメリカの島国、ハイチ共和国は大地震に見舞われ、現時点で死者は5万人から10万人に達すると言われている。常に繰り返される自然災害は、非力な人間に対して容赦なく襲いかかる。被害が甚大になるのは、いつもインフラ等が脆弱な途上国であり、その中でもより貧困な層が一番の犠牲者になる。西半球で最も貧しいと言われているハイチは、その典型的な例であると言えよう。亡くなられた人々のご冥福と共に、被災者、ご家族等に対して、心からのお見舞を申し上げたい。
アメリカにとってハイチは裏庭であり、今日までの歴史的な関わりや、国内にハイチ出身の移民を抱えていることから、オバマ政権は物心共に迅速且つ大規模な支援活動を行っている。2005年、ハリケーン・カトリーナがルイジアナ州を中心に襲い、当時のブッシュ政権はその対応の悪さで世論の批判を浴びた。それが今回の迅速な対応につながったとも報じられている。すでに、米軍だけで1万人規模の兵士が救援活動を行っており、それ以外の政府機関、NGO、民間企業、有名人等を含め、相当な規模の支援になろう。またクリントン、ブッシュ両元大統領も支援の前線に立ち、活動している。そこには与党も野党もない。あるのは、アメリカ国民全体が立ち上がり、応援している姿である。
国連はもちろんであるが、各国も迅速に支援活動を開始した。地震国の日本としては、逸早く支援に乗り出すべきであったが、反応は極めて鈍く、初動も遅れた。国際緊急援助隊の出動が命じられたのは、丸1日半が経った14日午後、そして日本を出発したのは、地震発生後丸3日が経った16日の夜である。地震の被災者の救出には、発生後2日、48時間以内に救援活動を開始することが重要であり、遅くても3日、72時間以内でないと生存者を救う可能性は極めて低くなる。恐らく現地に到着して活動を開始できたのは、丸4日以上経ってからことになろう。せっかくの援助隊の派遣も、初動の遅れが支援活動の有効性に大きく影響したことになる。(つづく)
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