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2006-04-20 00:00
ODAに外交的配慮を
藤村一男
地方公務員
ODAをめぐっては、最近では国際協力銀行の円借款関連部門を国際協力機構に統合したり、内閣に関係閣僚会議を設置するなどの動きが見られ、限られた予算で如何に効率的に援助を実施するかの観点が重視されている。『グローバル・フォーラム会報』2005年夏季号には「国際政経懇話会」の3月例会での佐藤重和外務省経済協力局長の話が掲載され、ODAの重点が貧困対策や平和構築に移りつつある点が指摘されている。これは時代の変化を反映した動きであり、理由のあることだとは思うが、今後ともODAが外務省主導の下で実施されることになったそもそもの理由を忘れてはなるまい。それは、ODAの外交的効果を絶えず念頭におくということである。
要はODAを活用して日頃から友好国を増やすことが重要である。それでなくてもわが国は欧米主要国と比べて友好国が少ない。アメリカは別にして、フランス、イギリスなどは歴史的、政治的な結びつきによって仲間を持っている。話は古くなるが、2000年のオリンピック開催地を決める投票で百数十票中日本は僅かに6票しか獲得出来なかった。同じ投票でフランス、トルコはそれぞれ二十数票を得ている。日本の国連安保理常任理事国入りを目指した昨年の国連総会における多数派工作でのG4案の惨敗は記憶に新しい。日本支持をめぐるこれらの事実は、わが国が困った時にわが国を助けてくれる友好国がほとんど存在しないことを示している。援助のための援助ではなく、かかる外交的配慮に立ったODAの実施が望まれる。
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