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2009-12-22 00:00
鳩山首相の迷走で日米関係は危機的状況
石川 純一
フリージャーナリスト
膨大なご祝儀報道とともに登場したオバマ米民主党政権と鳩山由紀夫民主党政権。共にこのところ旗色が悪い。オバマ大統領のノーベル平和賞受賞演説は、「希代の名演説」だそうだが、ただそれだけ。演説で政治はできまい。鳩山首相はというと、就任当初の持ち上げ報道とは裏腹に、右へ左へと迷走を続け、腰の定まらないことおびただしい。で、戦後の日本外交を規定した日米同盟関係が、危機的状況に陥っている。
なぜか。言わずと知れた米軍普天間飛行場の移設問題が決着をみていない点にある。普天間飛行場(Marine Corps Air Station Futenma)は、沖縄県宜野湾市に立地する米海兵隊の飛行場。通称は普天間基地(MCAS FUTENMA)で、地元宜野湾市民は単に「基地」と呼ぶ。2700メートルの滑走路を持ち、嘉手納基地と並んで沖縄における米軍の拠点となっている。日米合意に基づくキャンプ・シュワブ(沖縄県辺野古)沿岸部への移転について検討が続き、米側は早期履行を求めているが、県内移設に関しては、沖縄県民を中心に反対論が根強く、いまだ決着が付いていない。鳩山首相は米国、沖縄、連立のいずれも大事というのが持論で、移設先を明示しないで、結論を先送りしたいというのが本音。解決への道筋をあいまいにし続けていることが米国、沖縄、連立与党との間に不信感を生み、さらに解決を難するという悪循環だ。
ついには、ホワイト・ハウスのギブズ報道官が12月9日、普天間飛行場移設問題に関し日本側が実現を模索しているデンマーク・コペンハーゲンでの日米首脳会談について、「応じない」」と拒否の姿勢を明確化するまでになった。同報道官は「(首脳会談は)数週間前に行った。協議は、駐日大使らが進展に向け、適切に行っている」と述べるにとどまり、不快感を滲ませたそうな。「歴史的な訪問」と称されたオバマ大統領の訪日が終わったばかりなのだから、何をいまさらということだろう。
日本政府は、18日にコペンハーゲンで開かれる気候変動に関する首脳会議にあわせて、鳩山首相が、「(普天間基地問題に関する日本政府の考え方を)オバマ大統領に直接伝えたい」としていた。加えて、米国務省高官は、日本の防衛省が新たに普天間移設そのものを見送る案を検討するなど、鳩山政権のこの問題に関する決断が遅れていることについて、「検証が長引けば、基地移転に影響が出るだろう」と、米政府内にいら立ちの声が高まりつつあることを示唆した。 それでなくても、先に行われたニュージャージー、バージニア両州の州知事選では、共和党が勝利し、オバマ大統領の経済政策が米有権者の間で極めて不評であることを印象付けている。へたに日本に譲歩すれば、足下が危うくなるというのが、米側の本音。「鳩山政権は、来夏の参院選までもつのか」という不信感もそこにはある。
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