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2009-11-25 00:00
(連載)オバマ大統領のアジア政策演説の狙い(2)
若林 秀樹
元参議院議員
オバマ氏は、大統領選候補者の時には「中国は敵でもない、味方でもない、競争相手だ」と述べ、人権問題についても問題視する姿勢を見せていたが、予想されていたとは言え、大統領になって対中政策を大きく方針転換したことになる。つまり米国のアジア政策の中で中国との協力関係強化を正式に表明したことに、今回の政策演説の最大のポイントがあったと思われる。
細かいが演説の中で気になった点は、普天間基地の問題である。オバマ大統領は、直接、普天間の名前こそ出さなかったが、米軍再編という言い回しで、「両国政府が達した合意を履行するために作業グループを通じて迅速に行動することに合意した」と述べた。つまり政策演説では細かいと思われる作業グループにまで言及し、鳩山首相の「日米合意を協議の前提としない。合意を前提とするなら作業グループはいらない」と述べた点について、「あくまで合意を履行するための作業グループ」という位置づけを明確に示し、鳩山首相に対して釘を刺したことになる。オバマ大統領が政策演説の中で、改めて細部まで踏み込んで普天間基地の日米合意履行に触れたことは、この問題ついては相当な不満を持っている証左であり、普天間基地の辺野古への移設にこだわっている姿勢がうかがわれる。
また北朝鮮問題では、日本の拉致問題に触れたことは大変良かったが、後で言質を取られない様に慎重に言葉を選んでいたことに注目しなければならない。つまり隣国(日本)との関係正常化は、「被害者の家族に完全な形で説明することによってしか実現しない」とし、あくまで拉致問題の「説明」であり、「解決」とか、正常化への具体的な前提条件には触れなかったのである。これは後で、米朝協議を進める上で、いくらでも日本に言い訳ができる言及の仕方であった。
いずれにせよ、この政策演説におけるオバマ大統領の問いかけに、鳩山首相はどう答えていくのか。友好ムード演出も限界にきており、答え方次第では、日米関係の決定的な痛手になりかねない。(おわり)
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