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2009-11-24 00:00
(連載)オバマ大統領のアジア政策演説の狙い(1)
若林 秀樹
元参議院議員
11月14日、サントリーホールでオバマ大統領のアジア政策に関する演説を聴いた。オバマ氏の演説を直接聴くのは、昨年6月以来2回目である。実際には、テレビ放映の方が大統領の顔の表情まで含めてよく分かるし、音声もはっきり聴こえるのだが、ライブでしか味わえない臨場感や楽しみがある。特に体全体から伝わってくる話し手の意志やエネルギーは、直接会場に足を運ばないとわからない。約30分の演説の中でオバマ大統領がどこに力点を置き、どんな思いで喋ったのか。
今回の演説の最大の意義は、大統領としてアジア政策の全体像を初めて明らかにする演説を、北京ではなく東京で行い、米国がアジア・太平洋国家として、日米同盟を基軸にアジアに深く関与していくことを宣言したことにある。これ自体は極めて重要なことであるが、オバマ大統領の来日は当初より1日遅れ、鳩山首相が不在であるにもかかわらず、APEC首脳会議の初日を欠席してまで、なぜ東京で政策演説を敢行したのか。ホワイトハウスがこの政策演説を正式に発表したのは、9日になってからであり、米国大使館は、慌てて政策演説の準備を行った様子がうかがえた。そうまでしても実施したかった政策演説の狙いとは、何だったのか。
即ち、一方で、タイトな訪日スケジュールでも政策演説を東京で行って、日本重視の姿勢を示しつつ、他方で、中国との関係を強化する姿勢を中国訪問前に示し、中国との友好ムード醸成に向けた地ならしをしたかったのではなかろうか。
念願のアジア外交に関する政策演説を実施し、日本と中国とのバランスを取るには、無理してでも東京で実施するしか選択はなかったのである。オバマ大統領は、演説の中で中国に対して時間をかけて米中が協力する意義を訴えた。「現実的な協力を追及することが大事だ」、「米中が協力して取り組めば、双方の利益になる」、「米国は中国を封じ込めようとは思わない」等、中国重視の姿勢を強調した。中国の人権問題、軍備増強、人民元の切り上げ問題等には、一切触れなかった。(つづく)
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