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2009-11-17 00:00
(連載)オバマ大統領初来日に思う日米同盟の原点(2)
若林 秀樹
元参議院議員
しかし、こういう状況にあっても、何故米国は、日本をこれほどまでに重要視するのであろうか。それは過去の歴史的な経過を踏まえ、日本がアジアにおける重要な民主国家であると共に、日本における米軍基地、取り分け沖縄基地の地政学的な重要性を認識しているからである。だからこそ日米安保が旧条約から数えて60年近くも維持されているのである。すなわち米国にとって、日本における基地の安定的な利用は日米安保の最大の魅力であり、日本にとって、その見返りとして米国が日本の防衛義務を負うことは、最も重要な日米安保の意義なのである。
この双方のメリットが日米関係の根幹にあることに認識のズレがあるとするならば(その懸念がない訳ではないが)、日米関係に亀裂が走りかねない。今回の首脳会談では、「核なき世界」の実現や地球温暖化対策、エネルギー分野での協力に合意したが、この日米関係の根幹が崩れては、これらの新たな協力が進展するとは到底思えないのである。
また日米同盟は、日本のみならず広くアジアの安定にも寄与する重要なインフラとしても評価すべきである。日本からみれば、日米同盟は中国の軍事力や北朝鮮のミサイル攻撃に対する抑止効果があり、逆に中国や韓国やみれば、日本独自での軍事大国化を阻止する役割があると見ている。日本は引き続き日米同盟を最も重要な外交の基軸であると考えるのであれば、やはりその基盤である基地問題については、最優先課題として取り組むべきであり、しこりを残すような解決方法を取るべきではない。
もちろん「日米安保は必要ない」ということであれば、話は別である。しかし日本の外交戦略上、そのような選択肢はない。来年2010年は新日米安保の50周年を向かえ、同盟関係は弱まるどころか、更なる強化に向けた日米安保の再定義や、宇宙開発などの新たな脅威への対応を含めた日米安保の重要性が再確認されることになるであろう。だからこそ、今回の首脳会談では棚上げされたが、日米安保50周年を新たな関係強化のスタートとするためにも、同盟関係の原点を改めて再認識し、まずはその象徴としての普天間基地移設問題を早期に解決することが重要なのである。(おわり)
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