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2009-11-13 00:00
(連載)民主党政権の深刻に過ぎる「初期故障」(1)
袴田 茂樹
青山学院大学教授
米軍普天間基地の移転問題をめぐって、民主党や社民党はこれまでの日本と米国の合意見直しを公約に掲げた。また基地の県外あるいは国外移設を主張していた。しかし鳩山政権は、米国の予想以上の厳しい態度に直面して、主要な公約の一つを断念せざるを得なくなっている。このことに関連して、新政権の政治感覚あるいは国家主権認識の深刻な問題を、3点指摘したい。
10月20日に来日したゲーツ国防長官はきわめて厳しい態度で、これまで日本政府との間で成立した普天間基地移設に関する日米合意が唯一の可能な案だとした。また、代替施設なしで、海兵隊のグアム移転はなく、沖縄における兵員縮小と土地の返還もない、と異例の強硬な姿勢を示した。米国は極東最大の沖縄米軍基地の存続問題は、中国(台湾)、北朝鮮、ロシア、さらにはアジア、中近東などへの戦略的な対応上、死活的な重要性があると考えているからだ。一方、鳩山首相は「オバマ大統領にとって、アフガン、パキスタンの支援の問題の方が、ある意味ではるかに大きなテーマだ」と述べて、アフガン支援策をまとめれば普天間問題は先送りが可能との甘い認識を示し、米側に一蹴された。
また、「私どもには新しい政権の考えがある」ので時間をかけて決めたいとした。さらに首相は、「日米合意も大事だ。選挙でわれわれが訴えたことも大事だ。沖縄県民の心は一番尊重しなければならない」とも述べた。県民の意向を最重要視するという立場から、移設問題は、名護市の市長選(来月1月)後に決めるとしていた。決定の時期に関しては、米国の厳しい態度に直面して、「名護の市長選の後じゃなきゃいけないと言ったつもりはない」と修正したが、しかし翌日には「オバマ大統領が来るまでにということで急がなくてはならないとは思わない」と本音を述べた。
岡田外相、北沢防衛相はゲーツ長官の強硬姿勢に接して驚いた。県外移設はとても無理と考えた外相は、住民の反対で自民党政権も断念した嘉手納基地との統合案を再度持ち出した。また、北沢防衛相も譲歩し、「時間を浪費するいとまはない」と述べ、先延ばしは好ましくないとの姿勢を示した。首相や関係閣僚たちのこれら見解の食い違いに対して、鳩山首相は「最終的に閣議で一つの方向を決めればいい。それまでは、皆さんの思いをぶつけ合うことは、新しい政権としてむしろ柔軟性があってよい」と述べ、また「政権主導なので閣僚が自分の意見を述べることはあってもいい。ただ、最後は私が決める」とも述べた。(つづく)
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