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2009-10-29 00:00
アフガンの大統領選挙やり直し
茂田 宏
元在イスラエル大使
10月20日、アフガン選挙管理委員会は、8月20日に行われた大統領選挙において過半数の得票を得た候補がなかったので、11月7日にハミド・カルザイ候補とアブドラ・アブドラ候補との間での決選投票を行うと発表した。カルザイ候補もアブドラ・アブドラ候補も11月7日の決選投票実施を受け入れることを表明した。 8月20日の選挙後、選挙管理委員会はカルザイが54.6%、アブドラ・アブドラが27.8%を得票したとしていたが、10月19日、選挙苦情委員会(ECC)が数多くの選挙不正があったとの申し立てを受け、200箇所以上の投票所の投票を無効とする報告を選管に提出した。その結果、カルザイ候補の得票が50%以下になったとされている。
米国を始め、西側諸国がアフガンには正統性のある政府が必要との見地より、決選投票の実施を求め、カルザイ大統領がそれを拒否し続けるという構図が続いてきたが、カルザイも結局、ECCの報告を受け、決選投票を受け入れた。カルザイ支持者は、ECCが外国人3人、アフガン人2人の構成になっていること、西側が決選投票を求めていること、を外部からの干渉であるとして、決選投票を忌避してきた。そのなかで今回カルザイが決選投票を受け入れたことは、歓迎されることである。決選投票なしでは、この選挙で成立するカルザイ政権は正統性のある政府とアフガン国民の多くから見られないことになっていたであろう。
決選投票が11月7日になったことも良いことである。それ以上遅れると、冬になり国内の一部では投票が出来ない惧れがあること、8月20日の選挙後もう2ヶ月も経っており、正統な政府がない状況は早く解消されるべきであること、米側でアフガン新戦略の決定をアフガン大統領選挙が決着するまで待とうという意見があるが、アフガン情勢は米のそういう遅延で更に悪化する状況にあること、などを考えると、早めの投票は必要である。準備のための期間が限られていることから出てくる問題はあろうが、それを凌駕する早期投票の必要があると考えられる。
11月7日の決選投票が、不正の横行で結果が尊重に値しないものになり、またもめることは避けなければならない。このためには、国際監視団の派遣やタリバンの妨害排除を行うとともに、選挙管理委員会のやり方も改める必要があろう。選管の地方での責任者の半数が決選投票の前に入れ替えられるという報道があるが、不正が認められた投票所や地域の選管関係者は解雇されるべきであろう。いずれにせよ、決選投票後はその結果を両候補とも受け入れ、正統性のある政府の樹立を速やかに行い、アフガニスタンの直面する問題に取り組んでいくべきであろう。
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