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2009-10-26 00:00
オバマ大統領へのノーベル平和賞授賞の胡散臭さ
石川 純一
フリージャーナリスト
まさにサプライズ!2009年ノーベル平和賞受賞者はオバマ米大統領に決定。ノルウェーのノーベル賞委員会が9日発表。「国際的な外交を強化し、市民の間の協力を高めることに、特別な努力を傾けた」というのが授与理由。国際的非難の中でイラク戦争を開始したブッシュ前米政権の一方的外交を改め、対話と協調を基本とする外交を進めて、「核廃絶」を唱えて核軍縮に新たな地平を開いたからだそうな。現職の首脳への授与は、2000年の金大中・韓国大統領(当時)以来9年ぶり。米国の現職大統領の受賞は3人目で、1919年のウィルソン大統領以来90年ぶり。就任したのが今年の1月20日。ホワイトハウス入りして10カ月にも満たない政治家への授与は、文字通り「政治的」であり、パフォーマンス的に見ても、その授与には「?」が付く。一体、オバマ大統領の何に対しての授与なのか?
ギブス米大統領報道官は9日の記者会見で、オバマ大統領のノーベル平和賞受賞の決定に関し、政権内の誰一人として大統領が受賞候補だったことすら把握しておらず、「寝耳に水」の受賞だったと明らかにした。同報道官はこの日午前3時ごろ、国内外の情報を集約しているホワイトハウスの危機管理室から電子メールで受賞を知らされ、同6時になるのを待って大統領に電話し、「朗報」を伝えた。寝ているところをたたき起こされた同大統領は、「非常に驚いていた」という。
忘れてならないことは、米国は、対テロ戦争、要するに2001年9月11日の米同時テロに端を発した「テロとの戦い」の真っ最中ということである点だ。戦時下にある直接当事国の国家元首が、ノーベル平和賞に輝いたわけだ。ブッシュ前政権の一方的外交を改めたからと言うが、イラク戦争すらまだ終わっていないのだ、アフガン増派問題もある。どこの誰として、オバマ大統領が現時点で「賞」を与えられるような手腕を見せたとは思わないだろう。
それとも、ノーベル平和賞委員会は「平和賞を授与するから、それに値するような政治的力量を見せてみろ」とでも言うつもりか?それこそ、一国の国家元首に対する傲慢極まりない考え方であろう。実際のところ、米国の保守系シンクタンク「ヘリテージ財団」はニュースメールで、「(この)ノーベル賞(授与)は、米国の内政に横やりを入れ、政治論争の種をまいている」として、ノーベル賞委を批判。オバマ大統領のノーベル平和賞は「喜び」を共有できない胡散臭さが漂っている。同大統領自身もこれを知っている。ノーベル賞委そのものから発しられる胡散臭さだからだ。
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