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2009-10-14 00:00
(連載)アフガン問題と周辺諸国(2)
茂田 宏
元在イスラエル大使
第4に、中央アジア諸国は、安定し、イスラム過激派に牛耳られないアフガンを望んでいる。国内の安定にアフガンでのタリバンの勝利は影響を与える。
第5に、中国は一つには資源の供給先または輸送経路としてのアフガンに関心がある。カブールの南で、中国はアイナク銅鉱山を開発している。アフガンには、銅のほか、鉄鉱石、金、ウラン、貴石などの資源があり、中国はそれに関心をもっている。又中国は、エネルギーその他の資源供給ルートとしてアフガンを重視している。二つ目として、ウイグル問題に現われているように、中国自身、イスラム過激派の勢力伸張で脅威を受ける立場にある。それでアフガンの安定を望んでおり、タリバンがアフガンで勝利することは望んでいない。
第6に、インドであるが、インドは、タリバンがアフガンを抑え、パキスタンがタリバン支配下のアフガンと良好な関係を持ち、イスラム過激派の圧力がカシュミールで強まるほか、インド国内でのイスラム過激派が勢いを持つことを警戒している。
以上は、極めて大雑把な観察であり、より詳細な分析が必要であるが、アフガンの今後にはNATO諸国よりも周辺諸国がもっと懸念をもっていい状況がある。これら諸国はアフガンの安定化を望みつつ、パキスタンは別として、米とNATOの苦労を横から眺めていた、高見の見物を決め込んでいたところがある。アフガン情勢がここまで悪化したなかで、キッシンジャーなどの提唱する周辺国首脳会議構想は追求するに値する構想ではないかと考えられる。首脳レベルでなくとも良い。各国の思惑が入り乱れているので、協力のあり方を取りまとめ、それを実施するには高いハードルがある。しかし会議をすれば、タリバン復権、アルカイダの活動の自由度の増大が周辺諸国に与えるマイナスの影響を認識させる一助にはなる。周辺諸国が長期的な観点から現状をどう評価するかがその成否を決めるだろう。
岡田外相はアフガン、パキスタンを訪問した。日本にとってのアフガン問題は、苦労している同盟国米国を助けることに主眼があり、アフガンが今後どうなるかにより、周辺諸国のように直接的な影響を受けるわけではない。日本としては、同盟強化の観点から、出来る範囲内で米に寄り添って行くということであろう。アフガンそれ自体が日本の国益にとり持つ意味は、dそれほど大きくない(おわり)
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