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2009-10-05 00:00
どこへいく鬼っ子のイラン革命世代
石川 純一
フリージャーナリスト
クリントン米国務長官は9月18日、ワシントン市内で講演し、イランに対し「核問題解決に真剣に取り組むよう」求めるとともに、イラン側が拒否した場合、追加制裁を実施する可能性を示唆した。同長官はこの9月23日からニューヨークで始まる国連総会にあわせ、核問題をめぐるイランとの交渉に参加している他の国連安全保障理事会常任理事国やドイツの外相と会談し、今後の対応を協議する。他方、イランの最高指導者ハメネイ師は9月11日、テヘランにおける金曜礼拝で演説し「核であろうとなかろうと、われわれの権利を手放せば、(イラン社会の)衰退につながる」と断言し、欧米などが求めるウラン濃縮活動の停止に応じない姿勢を示した。フランス公共ラジオなどが伝えた。
国際原子力機関(IAEA)定例理事会(日米など35カ国)は9月9日、国連安全保障理事会の決議に反してウラン濃縮活動を継続するイランについて協議したが、米国は席上「核兵器1個分が製造可能な低濃縮ウランを獲得しようとしている」と非難した。ブッシュ前米大統領が「悪の枢軸」と喝破した北朝鮮と並ぶ国際社会の鬼っ子イランだが、北朝鮮核と同様にイラン核もまた、現代社会の不安要因だ。
かつて中東紛争の核心はパレスチナ問題だとされた。4回にわたる中東戦争の全期間を通じて、この考えは正しい。たとえ、背後に米ソ冷戦を背景とした代理戦争的な要素があったとしてもである。第4次中東戦争開戦からこの10月6日で満36年になる。前回指摘したように、この戦争を契機に、エジプトは対イスラエル前線国としての立場を放棄した。代わって登場したのが、「パレスチナのパの字」も関係ないイランである。それもイラン革命に象徴される「イスラム」の筆頭として。
最高指導者の故ホメイニ師に率いられたイスラムを呼号する保守的宗教層が、テヘランの街をデモで埋め尽くしてパーレビ王政を倒してから、これも30年が経過した。血で血を洗う粛正の嵐を乗り越えて、盤石とは言えないまでも、それなりの成長を遂げてきたイラン・イスラム社会。同じくイスラムを旗印に現代民主社会に異議を唱える国際テロ組織アルカイダなどとは一線を画す。が、不安要因であることは間違いあるまい。私見だが、ハメネイ師などの革命世代が全員鬼籍に入るまでは、イランはこのまま国際社会の鬼っ子にとどまるだろう。かつての鬼っ子、リビアの最高指導者カダフィ大佐が老いて丸くなったようには、ハメネイ師は丸くはなるまい。北朝鮮の金正日と同様に、こういった頑固一徹の一言居士は、全員が冥土へ旅立つまでは、われわれは耐えねばなるまい。
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