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2009-09-17 00:00
(連載)鳩山民主党の自主外交に期待する(2)
若林 秀樹
元参議院議員(民主党)
鳩山民主党の「自主外交」が具体的に何を意味するのかについては、政権政党としての政策を待たなければならない。「自主外交」は、自国の立場を主張するだけではなく、相手の立場も尊重し、国際的な信用を得られるかどうか、が重要だ。「対米協調」だからと言って、それが「自主外交」ではないとは言えない。「対米協調外交」と「対米追随外交」には大きな違いがある。その違いは、その都度日本が自主的に判断した結果、「対米協調」を選択してきたかどうかである。この点においては、日本独自のインテリジェンス体制は極めて脆弱であり、アメリカ頼みの重要な情報は、必ずしもすべて二国間で共有されている訳ではない。
日本の安全保障を米国に委ねていることに加え、この情報収集体制の不備と、国家としての毅然とした判断が国民から見えにくい(時に判断をしていない)ことが、「対米追随感」を生み、「自主外交」が必要であるという認識をもたらしている。今の政治環境は、当然のことながら、祖父の時代とは大きく違うが、対米追随外交の反動という意味では共通点もあり、「自主外交」を目指す背景としては、以下のような現象面が挙げられる。
一つは、日本の立場を主張することなく、対米追随外交を続けた結果、プラス面よりもマイナス面が政治の声として大きく出始めたことである。戦後60年以上も経ち、日本は成熟した主権国家でありながら、常にアメリカの言いなりであり、経済では米国の市場原理主義に翻弄され、米軍基地や財政支援等の国民負担は日米同盟によってもたらされる利益よりも大きすぎるのではないか、という認識である。筆者としては、この考え方に必ずしも同調する訳ではないが、大人と子供の関係から、もう自分も一人前の大人になったので、少しはモノを言わせて欲しいという国民の気持ちは、理解できるところである。
また二つ目は、対米追随外交にも関係しているが、中国や韓国との関係が歴史問題も含めてしっくりいかず、日本はアジアの一員としての市民権を得ていないのではないか、早く歴史問題に決着をつけ、未来に向けてアジアと共に生きることが重要ではないか、という意識である。確かにグローバル化、IT化が進み、簡単に外国の情報が入る時代になったが、「自主外交」を論ずる以前に、国民の意識はむしろ内向きになってはいないだろうか。「自主外交」とは何なのか。そのための覚悟と現実的な体制は整っているのか。鳩山民主党は、「自主外交」の意味するところを国民に示し、理解を得ることが重要だ。戦後外交史に新たな1ページを記すような鳩山民主党の新たな外交の展開に期待したい。(おわり)
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