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2009-09-07 00:00
政権移行の明確なルールが必要
若林 秀樹
元参議院議員(民主党)
政権移行を迅速かつスムースに行うことは、鳩山新政権にとって最大の難関になろう。そこでつまずくようなことがあれば、国民は政権の先行きを不安視し、その後の政権運営に大きな影響を与えかねない。8月30日の投票日から9月16日の首相指名選挙、その後の組閣まで2週間あまり。さらに続く国連総会やG20金融サミット等の外交日程、臨時国会、そして年内の予算編成まで、政権運営の経験のない民主党には、一時も気が抜けない日が続きそうだ。
この点アメリカでは、オバマ政権を例にとると、大統領選の11月4日(11月第1月曜日の翌日)から1月20日の就任式まで、2ヶ月以上、77日間もあった。この間、選挙後すぐに発足した政権移行チームは、現政権と時間をかけて丁寧に引継ぎを行う。もちろん選挙後の現職大統領はレイムダックになり、政治的影響力は一挙に弱まるのだが、現政権は新大統領の就任まで責任をもって政府を担うので、政治的空白は基本的にない。また閣僚の就任は、上院での指名承認が必要であることもあり、クリントン国務長官の指名承認公聴会の開催は1月14日と早かったものの、商務長官にいたっては3月24日であった。
もちろん政治システムの違う日本にとって、アメリカ型の政権移行は参考にはなっても、モデルには成り得ない。むしろ同じ議員内閣制のイギリスの方がより参考になろう。これまでは自民党の一党支配が続いたので、政権移行の明確なルールは必要なかった。ましてや事実上の「官僚内閣制」だったので、政策は官僚まかせであり、大臣の引継ぎもほとんど無かったのが実情である。
しかし、これからは政権交代が頻繁に行われることが想定され、官僚に依存しない政治を志向するのであれば、政権移行の明確なルールが必要だ。例えば政権移行チームと政府の徹底した情報の共有化、その後の守秘義務、政権移行に携わるメンバーの身分、政権移行に際しての予算措置等、法的な担保も必要になるであろう。自民党や政府が政権移行に協力しなければ、後になってそれが自分達に大きな問題として降りかかってくることを肝に銘じるべきだ。
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