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2009-08-25 00:00
大物続々落選必至の自民選挙情勢
杉浦正章
政治評論家
自民党が当選100議席前後ということは、必然的に“革命的”な勢いで、大物議員が落選することを意味する。派閥の長はもちろんのこと、首相経験者、現職閣僚、落選の経験がない議員など、普通では考えられない有力議員らが落選か、当落線上をさまよっている。加えて「麻生降ろし」で主導的な役割を演じた議員らも落選しかねない情勢だ。まさに国民の選択は、旧体制拒絶・政界刷新の方向であることが分かる。「まさかの落選」が頻発しそうだ。なんと言っても、大物落選の原因は、自民党の地滑り的な退潮であり、民主党に有権者が目をつぶってでも投票という流れに逆らう術がないことを意味している。首相経験者では、まず海部俊樹と森喜朗が危ない。とりわけ海部が落選の方向だ。78歳という高齢ではもう無理だろう。森も懸命の運動を展開しているが極めて苦しい。福田康夫も厳しい戦いを展開している。
閣僚で落選候補の筆頭が与謝野馨だ。麻生を支持し続けてきた与謝野が、ぎりぎりになって総裁選挙要求の署名に参加するという奇異な行動に出たのも、選挙区情勢を意識してのことだった、と言うことが分かる。起死回生の手段と考えて「与謝野の乱」を試みたのだろう。奇異な行動と言えば、選対委員長辞任の古賀誠もその例に入る。表向きは都議選敗退と宮崎県知事・東国原英夫の担ぎ出しに失敗したことによるとされているが、本当は落選の危機をひしひしと感じてのことであろう。選対委員長の手元には選挙情勢が全て入ってくるが、自分の選挙区の情勢もその例外ではない。「選対委員長落選」のみっともなさを“川筋もん”としては潔しとしなかったのであろう。「麻生降ろし」に奔走した中川秀直、武部勤、塩崎恭久も「落選」の危機を身をもって感じているに違いない。
有権者は「麻生降ろし」を主導したから支持しないということではなく、候補者本人が自分の選挙区の情勢に居ても立っても居られなかったという事情があるのだろう。武部は、落選が確実視される。日本郵政の社長更迭にこだわり続けた鳩山邦夫も、厳しい。閣僚でありながら“自己PR”に専念した結果が、当落線上の危機である。スキャンダル議員への評価も厳しいものがある。「もうろう会見」の前財務相・中川昭一も、まず当選は無理だ。「ばんそうこう会見」の元農水相・赤城徳彦も落選の危機。普段なら有権者が大目に見る傾向がある不祥事でも、今回ばかりは許してもらえないということだろう。「西松疑惑」が取りざたされた経産相・二階俊博や、原爆を「しょうがない」と発言した元防衛長官・久間章生も当落線上だ。派閥の長も古賀だけに限らない。町村信孝や伊吹文明といった、まず落ち度がなく、人格識見も非の打ち所のない議員も落選の危機だ。とくに町村は極めて困難な戦いに直面しており、挽回(ばんかい)は出来まい。伊吹は当落線上にある。元副総裁・山崎拓も当落すれすれの戦いだ。
加えて世代交代の波も顕著に出て来ており、高齢者が落選の危機に瀕するケースが多い。党長老が軒並み厳しい戦いを強いられている。自民・民主の戦いに加えて、世代交代の波が襲っていることも確かだ。党総務会長・笹川尭(73)を筆頭に、堀内光雄(79)、深谷隆二(73)、島村亘伸(75)、森(72)、海部(78)、柳沢伯夫(74)、杉浦正健(74)、保岡興治(70)といった議員らである。そのほか、いささか人格的に円満さを欠く大田誠一が落選しそうだし、あれだけ国対委員長で活躍した大島理森や元財務相・額賀福志郎も当落線上だ。昔なら「革命」と言って良いほどの「旧体制拒絶」の動きが全国津々浦々で進行している情勢だ。
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