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2009-08-24 00:00
(連載)米国の心配は、日本政治の漂流(1)
若林 秀樹
元参議院議員(民主党)
国民は、自民党に「不満」を持ち、民主党に「不安」を感じている。総選挙を間近に控え、民主党への政権交代が濃厚とされるが、この「不安」をいかに除去していくかが、今後の問題となる。各党のマニフェストをみると、民主党への「不安」は、特に国際社会の主要国として継続性が必要な外交・安全保障政策であり、なかんずく「日米関係」であろう。
マニフェストを見る限り、自民党の外交・安全保障政策は、当然のことながら基本的にこれまでの政策の延長である。新たな点を敢えて挙げるとするならば、自衛隊の迅速な派遣を可能とする国際協力に関する一般法(国際協力基本法)の制定である。課題となっている集団的自衛権の解釈や、核持ち込みの密約があったとされる非核三原則等の問題については、全く踏み込んでいない。
一方、民主党の政策の特徴としては、「自立した外交」であり、日米関係でいえば「緊密で対等な日米同盟関係をつくる」という新たな日米関係への挑戦である。日米地位協定の見直しや在日米軍のあり方に関しては、これまでの主張を和らげる表現に変更するなど、現実的な対応姿勢が見られるが、「対等な日米同盟」とは何を意味するのか、必ずしも明確ではない。まず民主党の考える日本の主体的な外交・安保ビジョンを明確にすることが先決であり、それが欠落する中で、「対等な日米同盟関係」が明確になるはずがない。またアジア外交を重視する姿勢を見せているが、中国、韓国等のアジア諸国はその姿勢を歓迎、期待するものの、やはりアジア重視が何を意味するのか必ずしも明確ではない。期待だけもたせて、本質的に変わらない言動が、かつての自民党のように見え隠れすれば、むしろ落胆させた時の反動は大きいと覚悟すべきだ。
民主党の考える「対等な日米関係」は、一見、最も重要な同盟国であるアメリカと距離を置くような印象があるが、全くそうではないし、そうであってはいけない。むしろ信頼関係に基づく密接な関係が必要である。また民主党の考え方は、変化する国際情勢の中で動き出したオバマ政権の外交の方向性にも合致し、またアメリカ自身もお互いに自立した新たな関係の構築を日本に求めているのである。(つづく)
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