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2009-07-30 00:00
自民党政権の延長線上に日本の未来はない
若林 秀樹
元参議院議員(民主党)
いよいよ総選挙まで1ヶ月となった。と言っても政治の世界での1ヶ月は、とてつもなく長い。誰にも1ヵ月後の政治情勢は予測不可能であり、だからこそ自民党は一発逆転、総選挙勝利への一縷(る)の望みを、解散時からの40日間にかけたのである。しかしながら冷静に見て、残り1ヶ月というのは長いようで、短い。特に世の中は、夏休みモードに入り、欧米の議会も休会に入る。世界では間隙をついてテロ活動等の動きが見られるかもしれないが、世の中全体としては静かな1ヶ月となろう。日本だけが蒸し暑い炎天下の最中、政党名、候補者名を連呼し、お互いが中傷合戦を行うのだが、有権者は8月30日、上辺だけの批判に惑わされず、今秋以降の政治体制はどうあるべきか、冷静な判断をするであろう。
有権者は、自民党に「不満」を持ち、民主党に「不安」を感じている。その中で、この1ヶ月間に多少の出来事があっても、有権者の変わらない考え方がある。それは有権者の頭の中で、蓄積されたメモリーが瞬時に計算して導き出す考え方、すなわち「自民党政権の延長線上に日本の未来はない」ということである。しからば、民主党はどうなのか。発表されたマニフェストを見ても、民主党に対する「不安」は一向に消えていないものの、一度政権を代えることの意味は大きいという国民の考え方もしっかりと根付いている。民主党にとっての最大の課題は、「失敗しないこと」である。緊張感を持ち続け、これまで通り平常心で戦い抜くことが出来れば、大願は成就するであろう。
今回の政権交代の最大の意義は、日本が抱えている問題がクリアになることである。仮に自民党政権が続けば、政府機能の不全状態が続き、借金だけが増えて問題が先送りにされ、国民はじわじわと悪化する病気を痛み止めを打ちながら抱え続けることになる。
仮に民主党政権になれば、選挙公約を実現するために既得権益にメスを入れ、財源を生み出すべく四苦八苦し、一時的には混乱するであろう。無駄遣いをなくすと言っても、その無駄遣いにより支えられている人たちもいるのであり、そんな簡単なことではない。しかし人々は、民主党の混乱や動揺によって初めて「日本の病巣」が目に見え、痛みを持って感じられるようになるのである。数年後に病状が急速に悪化して、突然死を起こすのがいいのか、それより治癒に望みをかけて、逸早く大手術をするのがいいのかは、国民の選択である。大手術で失血死するというような民主党に対する不安感は、すでに除去されている。日本に残された時間はあまりない。日本の未来がかかった判断の夏である。
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