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2009-07-18 00:00
(連載)ドイツの疑問、日本の回答(3)
岩國 哲人
衆議院議員
では、「NO」をドイツから習った民主党は、何に対して「NO」を言うのか。ひとつは、アメリカがインドの核保有を容認したことに対してである。2008年にアメリカは核拡散防止条約(NPT)非加盟のインドへの核関連技術の禁輸を解除し、YESしか知らない自民党政権はそれを追認した。しかしながら、唯一の被爆国であり、平和憲法を掲げる日本こそ、この米国の決定に「NO」というべきだったと考える。
第二は、自衛隊のイラクへの派兵要請です。日本は憲法上、解釈によっても自衛目的以外で海外に自衛隊を派遣することは不可能であり、日本は「憲法の許す範囲内でなら協力をする」とアメリカにきっぱりと伝えるべきだ。加えて、いまの日本国憲法はGHQの統治下で日本とアメリカが一緒に作成したものであり、その事情を知るアメリカ自身が無理な要請をすべきではないと思う。民主党は、派遣には二つの要件を満たす必要があると考えている。それは国連からの正式な要請と世論の同意だ。仮に民主党政権が樹立されたとき、この二点が揃うかどうかで、補給船の継続の可否は判断されることになる。
日本が目指している国連安全保障理事会の常任理事国入りや、直近の課題である北朝鮮問題について、同様なことがいえる。常任理事国入りに関して、民主党の方針としては、過去にマニフェストにも記載している通り「常任理事国入りし、更なる国際貢献をすべきである」と考える。しかし、私見を述べさせていただくと、私は常任理事国入りを求める前に、まずやるべきことがあると考える。先に述べた「NOと言える」日本、自分の意見を持つ日本になり、世界各国から信頼と尊敬の念を持たれる国になるように努めるべきだ。その上で、国連憲章に記載されている敵国条項の削除と、陸海空軍を持たない、軍事力を放棄したままでの常任理事国入りが可能であるならば、堂々と常任理事国になればよいと思っている。
北朝鮮問題に関しては、核問題というグロ-バルな問題に加え、日本には拉致問題というこれまた重大な問題を抱えている。核問題に関しても、日本は唯一、核の被爆経験を持つ国として決して許せるものではない。しかし、現状として、北朝鮮はこのような日本の主張を真剣に聞くこともなく、アメリカの方を向いている。アメリカと話をつけさえすれば、そのAGENTである日本は、結局追認するという思惑があるのでしょうか。これこそ、自民党政権下の日本が「NO」を学んでこなかったことの弊害の具体例であり、我々民主党は「NO」をドイツというよきお手本から学ぶべきだと思う。(おわり)
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