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2009-07-16 00:00
(連載)ドイツの疑問、日本の回答(1)
岩國 哲人
衆議院議員
先日、独『フランクフルター・アルゲマイネ(FAZ)』紙のベアトルト・コーラー発行人(第一面の責任者)が初めて来日され、政権交代間近かと言われる民主党に取材に来られた。FAZは、ドイツにおける最高級のクオリティー・ペーパーであり、多くの指導者層が日々目を通している。ドイツを代表する新聞だ。近時、民主党の外交・安全保障政策に対して、与党を中心にネガティブ・キャンペーンがなされているが、その反論の機会を提供していただいた、という点でも意義があるものだった。
ドイツと民主党の所縁は深いものがある。毎年、2~3人の民主党の国会議員がドイツ政府に招待されてドイツを訪問し、独議会人との交流を行っている。私も、ある特命事項を帯びて、この3月にベルリンを訪れ、ショーケンホフ議員と会談した。このように民主党は、ドイツから多くを学び、実際にマニフェストの作成にも参考にさせていただいている。特にドイツを参考にしているのは、(1)核兵器削減に対する政策、(2)地球環境保全に関する政策と(3)米国との同盟関係のあり方である。核兵器を造る資金と技術は十分に持ち合わせながら、核兵器にNOという姿勢を貫いている点で、両国は共通している。このような国の発展の道もあるのだということを示して、核兵器所有だけが唯一の道だと信じている国々に翻意を迫る取組みを、両国は協力して進めていくべきである。
環境対策についても、持続可能エネルギーの導入で先行するドイツを参考にして、日本も地球環境保全の責務を一層強く担っていくべきである。アメリカに「NO」と言うドイツの外交姿勢は、我々の見本である。米国は最大の同盟国であり、日米同盟堅持の姿勢に変わりはないが、自民党政権のような「NOと言えない」同盟関係から「NOと言える」同盟関係へと日米関係を転換させたい。ドイツは、イラク戦争でアメリカに反対したように、最大の同盟国に対しても、時には「NOと言う」ことを知っている。
このように決意するに至ったのには、オバマ大統領誕生の影響も大きい。オバマ大統領のキャッチフレーズとして「CHANGE!」とそのサブタイトルの「YES, WE CAN!」は有名だ。アメリカ国民が、この「変わろう!」というオバマ大統領の呼びかけに対して、「そうだ、自分たちにもできる!」という決意でオバマ大統領を選択したことに、私は勇気づけられた。というのもこの「WE」はアメリカ国民だけでなく、すべての同盟国を含み、日本に対しても変革を促していると感じたからだ。アメリカにとっても「NO」を知らない同盟国よりも、「YES」も「NO」も知っている同盟国の方が、信頼に足り、尊敬できるはずである。(つづく)
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